<?xml version="1.0" encoding="utf-8" ?><rdf:RDF xmlns:rdf="http://www.w3.org/1999/02/22-rdf-syntax-ns#" xmlns="http://purl.org/rss/1.0/" 
			xmlns:dc="http://purl.org/dc/elements/1.1/" xmlns:content="http://purl.org/rss/1.0/modules/content/" 
			xmlns:cc="http://web.resource.org/cc/" xml:lang="ja">
<channel rdf:about="http://musikfreund.blog64.fc2.com/?xml">
<title>Musikfreund－名盤への招待</title>
<link>http://musikfreund.blog64.fc2.com/</link>
<description>お気に入りのクラシックＣＤや海外のライブ録音を気ままに紹介するムジークフロイント</description>
<dc:language>ja</dc:language>
<items>
<rdf:Seq>
<rdf:li rdf:resource="http://musikfreund.blog64.fc2.com/blog-entry-94.html" />
<rdf:li rdf:resource="http://musikfreund.blog64.fc2.com/blog-entry-93.html" />
<rdf:li rdf:resource="http://musikfreund.blog64.fc2.com/blog-entry-92.html" />
<rdf:li rdf:resource="http://musikfreund.blog64.fc2.com/blog-entry-91.html" />
<rdf:li rdf:resource="http://musikfreund.blog64.fc2.com/blog-entry-90.html" />
</rdf:Seq>
</items>
</channel>
<item rdf:about="http://musikfreund.blog64.fc2.com/blog-entry-94.html">
<link>http://musikfreund.blog64.fc2.com/blog-entry-94.html</link>
<title>クレンペラーのマーラー/交響曲第7番ホ短調「夜の歌」（その１）</title>
<description> オットー・クレンペラー指揮ニューフィルハーモニア管弦楽団１９６８年９月１８～２１、２４～２８日ロンドン、キングスウェイホール東芝EMI TOCE-3233/4（１９９７年７月発売）Gustav Mahler Symphonie Nr.7 E-moll &quot;Nachtmusik&quot; [99:51]　1. Langsam - Allegro risoluto,ma non troppo  [27:37] 　2. Nachtmusik I, Allegro moderato   [22:01]　3. Scherzo, Schattenhaft  [10:24]　4. Nachtmusik II, Andante amoroso  [15:39]
 </description>
<content:encoded>
<![CDATA[ オットー・クレンペラー指揮<br />ニューフィルハーモニア管弦楽団<br />１９６８年９月１８～２１、２４～２８日ロンドン、キングスウェイホール<br /><a href="http://blog-imgs-18-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CDROM1.gif" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-18-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CDROM1.gif" alt="CDROM1.gif" border="0" width="32" height="32" /></a>東芝EMI TOCE-3233/4（１９９７年７月発売）<br /><br />Gustav Mahler Symphonie Nr.7 E-moll "Nachtmusik" [99:51]<br />　1. Langsam - Allegro risoluto,ma non troppo  [27:37] <br />　2. Nachtmusik I, Allegro moderato   [22:01]<br />　3. Scherzo, Schattenhaft  [10:24]<br />　4. Nachtmusik II, Andante amoroso  [15:39]<br />　5. Rondo-Finale, Allegro ordinario  [24:10]<br /><br />Otto Klemperer, conductor<br />The New Philharmonia Orchestra<br />Recording:1968.9.18-21,24-28 Kingsway Hall, London (Stereo)<br />Producer: Peter Andry<br />Balance Engineer: Robert Gooch<br /><hr size="1" /><br />演奏<span style="color:#990000">★★★★★</span>  録音<span style="color:#990000">★★★★★</span>　　　　　　［評価<span style="color:#990000">★</span>が２点、<span style="color:#ff3300">☆</span>が１点の１０点満点］<br /><hr size="1" /><br />お気に入りのＣＤや海外のライブ録音を気ままに紹介する Musikfreund（ムジークフロイント）。本日はオットー・クレンペラー指揮、ニューフィルハーモニア管弦楽団の演奏で<span style="color:#339900">マーラー交響曲第７番「夜の歌」</span>を聴く。<br /><br />　　<!a href="http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00940.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00940.jpg" alt="CD00940.jpg" border="0" width="222" height="220" /><!/a>　　　　<a href="http://click.linksynergy.com/fs-bin/click?id=sQzUt5PW8iQ&offerid=131139.609870532&type=10&subid=" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/z3_hmv.gif" alt="このCDをHMVで購入する" border="0" /></a><img alt="icon" width="1" height="1" src="http://ad.linksynergy.com/fs-bin/show?id=sQzUt5PW8iQ&bids=131139.609870532&type=10&subid=">　　　<a href="http://www.amazon.co.jp/gp/product/B00005GIRO?ie=UTF8&tag=musikfreund-22&linkCode=as2&camp=247&creative=1211&creativeASIN=B00005GIRO" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/z3_amazon.gif"alt="このCDをamazonで購入する" border="0" /></a><img src="http://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=musikfreund-22&l=as2&o=9&a=B00005GIRO" width="1" height="1" border="0" alt="" style="border:none !important; margin:0px !important;" /><br /><br /><br />交響曲第７番は、マーラーの交響曲の中でもとりわけユニークな存在で、終楽章をのぞいて、全体が夜の詩的な雰囲気につつまれた深淵なシンフォニーだ。２つの楽章が<span style="color:#339900">「夜曲」</span>と名付けられたノクターンの性格を持っていることから、この交響曲は<span style="color:#339900">「夜の歌」</span>とよばれている。このような長大な名曲は、深まりゆく秋の夜長にじっくりと味わいたい。<br /><br />筆者がこの曲を初めて聴いたのは、まだ尻の青い学生の時で、マーラーの音楽を聴きはじめたばかりの頃だった。たまたま友達から借りて聴いたのが<span style="color:#6666ff">クレンペラー指揮のニューフィルハーモニア管弦楽団</span>の２枚組のＬＰレコード。クレンペラーといえば、ＥＭＩのジャケットなどで、黒ぶちのメガネをかけ、偉そうにパイプをくわえて横を向いた<span style="color:#339900">「無愛想な爺さん」</span>というイメージがつよい。<br /><br />この頃はまだマーラーがブームになる前で、若輩の筆者は、この演奏の魅力を十分に味わったとは言えなかったが、独特のゆったりしたテンポによって、大河のように悠揚と流れる懐の深い演奏がじつに感動的で、とくに<span style="color:#339900">弦楽器のトレモロ</span>がサラサラと、とても美しく、鮮明に鳴り響いていたのが記憶に焼き付いている。<br /><br />　　　<!a href="http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00941.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00941.jpg" alt="CD00941.jpg" border="0" width="230" height="300" /><!/a>　　Otto Klemperer （1885 - 1973）<br /><br /><br />この交響曲第７番は、一般にいわれるように、構成的にも内容的にも難解な部分があり、親しみにくい作品とされている。<span style="color:#339900">「夜」の雰囲気</span>で統一された暗い楽想が最後の楽章に至って転換し、聴き手はいきなり<span style="color:#339900">「まっ昼間」の勝利の行進</span>に投げ出されてしまう奇異なシンフォニーだ。ここには「第５番」のように、「暗」から「明」への進行に、人間の明確な意志と必然性がまるで感じられないのだ。<br /><br /><blockquote><p>「私がマーラーの《７番》がわかるようになったのは、６０歳を過ぎてからなんです。それまでは、本当にどういう曲なのかわからなかった。ただ暗い曲だと思っていました。」　<span style="color:#6666ff">（<img src="http://blog-imgs-1-origin.fc2.com/image/e/122.gif"  class="emoji" style="border:none;" /> 「現代名曲鑑定団」 第９９回より宇野功芳氏、～『レコード芸術』通巻第６９０号、２００８年）</span> </p></blockquote><br /><blockquote><p>「マーラーの交響曲の中で、もっとも掴み所がないのが《第７》であろう。長大な上に構成が複雑で、一度や二度聴いたくらいでは、今自分がどこに居るのかさえ把握できない。また、ギターが登場したり、カウベルが響いたり、通常の概念では推し量れない音響に戸惑わされがちだ。さらには、フィナーレの突然の乱痴気騒ぎが理解できないという方もいらっしゃるだろう。しかし、取っつきにくい分、その魅力に開眼したときの愛着度は大きなものとなることは請合だ。」　<span style="color:#6666ff">（<img src="http://blog-imgs-1-origin.fc2.com/image/e/122.gif"  class="emoji" style="border:none;" />　『新盤・クラシックＣＤの名盤』 より福島章恭氏による、文藝春秋、２００８年）</span></p></blockquote><br /><br />筆者もじつはこの曲があまり好きではない。この曲には、どこか中に踏み込めきれないある種のもどかしさがつきまとう。最高潮に達したかと思えば急速に落ち込んだり<span style="color:#339900">（第１楽章、展開部の終わり、３３７小節）</span>、「闇夜のワルツ」が急降下のグリッサンドによって消えてしまう“肩すかし”があったり<span style="color:#339900">（第３楽章、７２小節）、</span>フィナーレのブラスの高揚が最後に大きくしぽんでしまう“フェイント”を見せたり<span style="color:#339900">（終楽章、最後の１小節手前）</span>というように、感興の高まりへの期待感が「ガクッ」とはぐらかされてしまう箇所が少なくない。<br /><br />葬送行進リズム、兵営ラッパ、軍楽調の凱旋行進曲、夜の行進曲風のバラード、カウベルの聞こえる野外セレナード、暗闇のワルツ、月光の中の愛のセレナーデ、ロンド舞曲と勝利の凱歌など、内容的にもどこか散漫で首尾一貫性が感じられない。とりわけ<span style="color:#339900">フィナーレの「歓喜」</span>が空虚なもので、<span style="color:#339900">「闘争から勝利へ」</span>という図式が茶番劇になっているという意見には筆者も同感である。したがって、その後、どの指揮者で聴く演奏も満足感をあたえてくれるものはなく、音楽がどこか空しくひびいていた。<br /><br /><blockquote><p>「この曲は、マーラーの交響曲の中では、どういうわけか、演奏されることの極端に少ない作品。したがって録音も多くない。たまに聴いてみても、耳なじみのメロディーはありませんし、曲の冒頭から、まるで取り付く島のないような音楽の連続で・・・・。譜面を見ていても皆目わからない。第２、第３楽章はちょっとだけ、なんとなく好きになりましたが、《謎の交響曲》だと言いたいほど手を焼きましたね。」<span style="color:#6666ff"> （<img src="http://blog-imgs-1-origin.fc2.com/image/e/122.gif"  class="emoji" style="border:none;" /> 「現代名曲鑑定団」 第９９回より小林利之氏、～『レコード芸術』通巻第６９０号、２００８年）</span></p></blockquote><br /><blockquote><p>「よく終楽章がひどいと言いますが、私はそうは思わないし、何よりマーラーという作曲家は、突然なんだか変なものが乱入してくるところがありますよね。私はそれがいやでした。ところが《７番》はそれがない。いろんな楽器が出てきますが、それらは当然そこになくてはならないもので、どこまでも人恋しい音楽だと思います。それをマーラー独特のメルヘンチックで装ったのが《７番》というのが私の考え。」 <span style="color:#6666ff">（<img src="http://blog-imgs-1-origin.fc2.com/image/e/122.gif"  class="emoji" style="border:none;" /> 「現代名曲鑑定団」 第９９回より宇野功芳氏、～同上）</span> </p></blockquote><br />　　　<!a href="http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00942.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00942.jpg" alt="CD00942.jpg" border="0" width="268" height="220" /><!/a><br /><br /><br />このクレンペラー盤は、数少ないマーラーの<span style="color:#339900">「第７番」</span>の中でも、昔から愛好家の間でとくに高く評価されている名盤で、筆者はＣＤでもう一度聴いてみたいと思っていた。残念なことに、このＣＤは１９９７年に発売されて以降は再発売されていなかったので、長らく入手不能であった。ここ数年来、東京や大阪の中古レコード店をまわる目的が、じつはこのクレンペラー盤が目当てであったほどだが、どうしても入手出来なくて悔しい思いをしていた。<br /><br /><blockquote><p>「クレンペラー盤が一番わかりやすい。《７番》とはこういう曲だったのかと。あの複雑極まりない対位法での動きが理路整然と弾き表されてくる、その面白さ。これが現在廃盤というのは解せません。９７年に再発売されて以来まったく市場に出ていない名盤ですから、ぜひ再発売を切望したい。」 <span style="color:#6666ff">（<img src="http://blog-imgs-1-origin.fc2.com/image/e/122.gif"  class="emoji" style="border:none;" /> 「現代名曲鑑定団」 第９９回より小林利之氏、～同上）</span> </p></blockquote><br /><br />ところが、最近、これがひょんなことで再生産されたことを知り、大手レコード店でも特価で投げ売りされているではないか。番号やジャケットを変えての再発売ではなく、再生産されたという事情はつまびらかではないが、あっさり入手出来きたことは望外の喜びであり、<span style="color:#339900">東芝ＥＭＩ</span>の大英断に感謝するしかない。シルヴェストリの「ドボはち」と「新世界」も再生産してくれないかしら？<br /><br />　　<!a href="http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00943.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00943.jpg" alt="CD00943.jpg" border="0" width="232" height="220" /><!/a><br /><br /><blockquote><p>「１９６８年の録音。この頃のクレンペラーは６０年代の初期と既に異なり、テンポをおそめにとることが多くなると同時に、内面の充実がさらに強まったように思える。かつて冷たいといわれた抑制は、やはり強い意志力の表われとして残存しているが、そのなかから、ロマンとあたたかさが期せずしてにじみ出てくるようになったのも、やはり晩年の成熟の変化といわねばなるまい。この第７番はその好例である。柔らかいニュアンスをもった歌のなかから、絶望と悲しみと期待が交錯する微妙な楽想の変化を、心からの共感をもって表現した演奏である。この作品の叙情と内面の葛藤を、これほど悠揚と深く表した演奏は、ほかにない。」<span style="color:#6666ff"> （<img src="http://blog-imgs-1-origin.fc2.com/image/e/122.gif"  class="emoji" style="border:none;" /> 小石忠男氏による月評、EAC50036-7『レコード芸術』 通巻第３８０号より、音楽之友社、１９８２年）</span></p></blockquote><br /><blockquote><p>「この複雑で錯綜した（しかも長大な）作品の隅々にまで光りを当てた屈指の名盤である。スコアに記されたすべてを白日の下にさらけ出さずにはおかない執念の凄まじさ。精巧なマイクロスコープで覗き込んだように、作品の襞（ひだ）という襞まで見せつけられるのだから、この作品を愛する者には堪（こた）えられない。反対に、マーラー嫌いの者には拷問だろう。」 <span style="color:#6666ff">（<img src="http://blog-imgs-1-origin.fc2.com/image/e/122.gif"  class="emoji" style="border:none;" /> 福島章恭著 『交響曲ＣＤ絶対の名盤』、毎日新聞社、２００５年）</span> </p></blockquote><br /><blockquote><p>「マーラー演奏のパイオニアの一人だったクレンペラーの純器楽交響曲２曲の録音は、６０年代に行われたもの。オーケストラは、当時、もっとも密接な関係にあったニュー・フィルハモニア管弦楽団である。クレンペラーのマーラーの特質、という観点から言えば、なにより、６８年のレコーディング、《第７番》のスケールの大きさは、ことに近年の“現代的なマーラー”のみを知る聴き手にとっては、度肝を抜かれる思いを抱かせる類のものに違いない。」 <span style="color:#6666ff">（<img src="http://blog-imgs-1-origin.fc2.com/image/e/122.gif"  class="emoji" style="border:none;" /> 岡部真一郎氏による月評、TOCE3233-4、『レコード芸術』 通巻第５６４号より、音楽之友社、１９９７年） </span></p></blockquote><br /><blockquote><p>「マーラーが作曲した交響曲第７番には〈夜の歌〉という名称がつけられている。ここにおける〈夜〉とは〈昼〉の反対の意。つまり、明るく、なべての物事の輪郭が明快で、論理的一貫性が保たれる昼に対し、夜は暗く、なべては曖昧になり、非論理的でアナーキーな世界である。整合性など保たれない。マーラーの当交響曲は、こうした〈夜〉の音楽なのである。これと対応しようとする指揮者には難しい課題が次から次へと課せられ、容易なことでは手に負えない。クレンペラーは当交響曲の真意を深く読み取ることの出来た数少ない指揮者のひとりだ。ニュー・フィルハーモニア管弦楽団を指揮した演奏（１９６８年録音）では、その事実が明らかにされている。」<span style="color:#6666ff"> （<img src="http://blog-imgs-1-origin.fc2.com/image/e/122.gif"  class="emoji" style="border:none;" /> 『一個人』Ｎｏ．９５、「クラシック不滅の名盤、ザ・ＢＥＳＴ１００」より吉井亜彦氏、ＫＫベストセラーズ、２００８年）</span> </p></blockquote><br /><br /><br /><img src="http://blog-imgs-1-origin.fc2.com/image/e/180.gif"  class="emoji" style="border:none;" /> <span style="color:#000000"><strong><u>第１楽章、ラングザム－アレグロ・リゾルート、ロ短調、４分の４拍子</u></strong></span><br /><br /><img src="http://blog-imgs-1-origin.fc2.com/image/i/165.gif"  class="emoji" style="border:none;" /> <span style="color:#000000"><strong>・序奏 Langsam(Adagio)</strong> </span><br /><br />雄大な序奏である。木管と弦の引きずるような付点リズムの中から、<span style="color:#339900">Ｂ管のテナー・ホルン</span>がよく響く音で見事に浮かび上がってくる。そして<span style="color:#339900">行進曲主題（１９小節）</span>の足取りの重さは尋常ではなく、そのテンポに仰天してしまう。<span style="color:#339900">軍楽調の副主題（主部主題の予示）</span>は、あたかも地の底から湧き上がるようにトロンボーンがつんざき、どろどろと鳴り響く太鼓が腹に響いてくる。なんという生々しい音場！　スケールの大きさ！　大きなリタルダンドによって<span style="color:#339900">テンポ・プリモ（冒頭回帰）</span>に突入するところはあまりにも物々しく、音楽が止まってしまいそうだ。<br /><br /><br /><img src="http://blog-imgs-1-origin.fc2.com/image/i/166.gif"  class="emoji" style="border:none;" /> <span style="color:#000000"><strong>・提示部 Allegro risoluto, ma non troppo</strong></span><br /><br /><span style="color:#339900">アレグロ・リゾルート（提示部）</span>の<span style="color:#339900">第１主題（５０小節）</span>にはいっても、ブレーキを踏みこんだテンポに揺るぎがない。トライアングルを伴った４本のホルンとチェロが斉奏する勇壮な<span style="color:#339900">軍楽調のしらべ</span>はゆとりと風格にとみ、<span style="color:#666699"> 「超スロー・テンポで巨龍のように歩む」（金子健志氏）。</span>弦を大きく引きつけて「よっこいしょ」とハネあげるように弾かせる副主題も、クレンペラーならではのスケールの大きな筆はこびだ。<br /><br /><span style="color:#339900">ア・テンポ［センプレ・リステッソ］</span>の第<span style="color:#339900">２主題（１１８小節）</span>のしらべは美しい。晴朗な弦の響きによって、なめらかな旋律線が耽美的に歌われる。８３歳の老大家は、ニューフィルハーモニア管弦楽団のシルキーな弦の魅力を存分に生かし、美麗に歌いまわす秘術を惜しげもなく聴き手に開陳してみせる。夜の静寂（しじま）に玲龍と響くアンサンブルのみずみずしさを、ＥＭＩの録音がじつに鮮明にとらえているのだ。<br /><br />　<!a href="http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00946.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00946.jpg" alt="CD00946.jpg" border="0" width="360" height="202" /><!/a><br /><br /><blockquote><p>「バランスがよく、全強奏時にわずかに硬質になるところはあるが強弱の起伏が大きく、想像以上にきめ細かな美しい音質が保たれており鮮度が高い。これもオリジナルテープの保存状態が適正であった事を思わせる。」<span style="color:#6666ff"> （<img src="http://blog-imgs-1-origin.fc2.com/image/e/122.gif"  class="emoji" style="border:none;" /> 三井啓氏による月評、TOCE7376～86、『レコード芸術』通巻第４９４号より、音楽之友社、１９９１年） </span></p></blockquote><br /><br /><img src="http://blog-imgs-1-origin.fc2.com/image/i/167.gif"  class="emoji" style="border:none;" /> <span style="color:#000000"><strong>・展開部  Wieder TempoⅠ(Allegro) </strong></span><br /><br /><span style="color:#339900">展開部（２１２小節）</span>は明快に打たれる第１主題のトランペットを皮切りに、シャッキリと弾む弦楽器、「ぴちぴち」とはち切れんばかりのブラスのファンファーレ、「キラキラ」と粒だちのよいグロッケンシュピールが抜群の鮮度で鳴り響く。<span style="color:#339900">３０９小節</span>でトライアングルとグロッケンシュピールが同時にフォルテで叩くところの生々しさといったら！　鮮明な録音も手伝って、この老巨匠のゆったりとしたテンポが聴き手の耳に快感すらあたえながら、マーラーの複雑に交錯した楽想の綾をゆとりをもって、やさしく解きほぐしてくれるのだ。<br /><br />やがて遠くから<span style="color:#339900">兵営のラッパの連呼</span>が聞こえてくる。マーラーが少年時代を過ごした<span style="color:#339900">モラヴィア地方（チェコ）</span>の<span style="color:#339900">イラーヴァ（イフラヴァ）</span>の住居の近くにあったオーストリア軍の兵営のトランペットの音が、あたかも作曲者の残照となって鳴り響く。<br /><br />この楽章の軍楽調の音楽は、作曲者の少年時代の懐かしい思い出であることを連想させてくれる。イングリッュ・ホルンとソロ・ヴァイオリンが寄り添い、しみじみとした哀愁を奏でるところ<span style="color:#339900">（２６６小節）</span>は、人生の酸いも甘いもかぎ分けた老大家の成せるワザであろうか。<br /><br /><!a href="http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00944.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00944.jpg" alt="CD00944.jpg" border="0" width="460" height="204" /><!/a><br /><br /><br />そして<span style="color:#339900">第２展開部（３１７小節）</span>には最高のご馳走が用意されている。２台のハープの上昇するグリッサンドに導かれて、<span style="color:#339900"> 「月の光」のエピソード</span>が登場する。たっぷりと引きのばされた弦のフレージングの美しさはたとえようもなく、左右に振り分けたヴァイオリン群の美しい皮膜が音響効果に見事な彩りを添えている。<br /><br />そこにチェロがくわわると、聴き手をうっとりと陶酔させるようなエクスタシーが惜しげもなく醸し出される。金糸銀糸のシルクの織物のような艶のある響きによって、<span style="color:#339900"> 「天上の音楽」を</span>作為なく演出してみせる老巨匠の手さばきが大きな感動を呼ぶ。これが大きく高揚する音楽のスケールはあまりにも大きく、その幹はふとい。<br /><br /><br /><img src="http://blog-imgs-1-origin.fc2.com/image/i/168.gif"  class="emoji" style="border:none;" /> <span style="color:#000000"><strong>・再現部  Adagio</strong></span><br /><br />ところが最高潮に達したところで天上の音楽は急速に落ち込んでしまう。<span style="color:#339900">再現部（３３８小節）</span>はふたたび序の暗闇が出現する。生々しいバスの<span style="color:#339900">序奏主題</span>の断片からトロンボーンの独奏が導き出される<span style="color:#339900">「アダージォ楽想」</span>が大きな聴きどころだ。<br /><br />第３交響曲を彷彿とさせるこの名場面は、テナーホルンとの二重奏によって暗澹たる情景を描き出し、そこはかとない憧憬の念が滲み出てくるところがクレンペラーの大家たるゆえんだ。３番トロンボーンがフォルティシモで打ち込むところ<span style="color:#339900">（３４６小節）</span>は悪魔的ともいえる壮絶な世界を演出している。ヴァイオリンが絶妙のタイミングでくわわるも、これが急速に消え去り、人はここに地獄の情景をみる。<br /><br /><!a href="http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00945a.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00945a.jpg" alt="CD00945a.jpg" border="0" width="460" height="200" /><!/a><br /><br /><br />是非耳をそば立てたいところは、第１主題が再現する手前の<span style="color:#339900">アルメーリヒ・ドレンゲント（３６５小節／１８分３５秒）</span>だ。漆黒の中をうねるように進行するヴァイオリンが次第に急迫し、ホルンが雄叫びをあげると<span style="color:#339900">（３６８小節）、</span>ヴィオラ以下の弦楽器のトレモロが大きくクレッシェンドしてゆく。<br /><br />筆者は初めて聴いたときから、ここのトレモロが何十年もずっと忘れられないでいた。生あたたかい中低音弦の刻み目が、あたかも見えるように目の前に展開し、それが美しく鳴り響いたとき、この老巨匠がただものではないことを思い知ったのである。<br /><br /><blockquote><p>「クレンペラーは、実演でも、練習でも、実にたくさんのエピソードのある人だが、それらに共通しているのは、ユーモアやチャームよりも、真剣さ、本当に音楽に身も心も捧げつくした無私の奉仕の精神、強い責任感の持ち主、それだけにまた、やや重苦しく、小まわりのきかない、ときには人を人とも思わない倨傲な人物ともみられなくはないけれども、スケールの大きさと音楽のほりの深さ、堂々たる力量感の充溢という点では、同僚たちの群をはるかにぬいた巨大な存在という印象を与えずにおかない点だろう。」<span style="color:#6666ff"> （<img src="http://blog-imgs-1-origin.fc2.com/image/e/122.gif"  class="emoji" style="border:none;" /> 吉田秀和著 『世界の指揮者』より、吉田秀和コレクション、筑摩書房、２００８年）</span> </p></blockquote><br /><br /><img src="http://blog-imgs-1-origin.fc2.com/image/i/169.gif"  class="emoji" style="border:none;" /> <span style="color:#000000"><strong>・コーダ Nicht eilen! </strong></span><br /><br />軍楽調の第１主題が再現する<span style="color:#339900">アレグロ・コン・プリマ</span>は息の長い呼吸をいれて、いよいよ<span style="color:#339900">グラチオーソの総奏（３９４小節）</span>に突入する。音楽は雄大で懐が深く、自尊にみちた巨歩には揺るぎがない。ブラスの対位的な第１主題に弦の３連音が呼応するところは、不器用ながらも遅いテンポが見事にはまっている。<br /><br />激しく吠えるホルン、落雷のごとく打ち落とすトロンボーン、「これでもか」とぶちかますシンバルとティンパニ。大きくデフォルメを入れてゆく老巨匠のスタイルは威厳があり、忘れがたい力がこもる。低音弦のアルペジォをくわえ、ゆるやかに進行する<span style="color:#339900">「愛の調べ」</span>の高揚感も比類がない。聴き手はただもう音楽の大きなうねりの中に身をゆだねるしかない。<br /><br />恐ろしいほどテンポの遅い<span style="color:#339900">行進曲主題（４８７小節）</span>から導かれるクライマックスの<span style="color:#339900">大総奏</span>は圧巻だ。小太鼓、タンバリン、グロッケンシュピールの鳴り物をくわえ、背後でピッコロが絶叫して聴き手を鼓舞する軍楽マーチは、<span style="color:#339900">シカゴ大隊</span>を指揮する<span style="color:#339900">鬼軍曹ショルティ</span>のようにパンチを効かせ、肉体的な興奮を呼び起こすものとは違って、内面の緊迫感をともなったドラマチックな音楽だ。<br /><br />　<!a href="http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00949a.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00949a.jpg" alt="CD00949a.jpg" border="0" width="400" height="184" /><!/a><br /><br /><br />ホルンが、トランペットが入れ違いに、命がけで喰らいついてくる凄まじい展開は、決死の覚悟で一騎討ちをするグラディエーターさながらの様相だ。地獄絵図の象徴ともいうべき、凄惨な情景を生々しく描き出す<span style="color:#339900">トロンボーンの咆哮（５１５小節）</span>は凄絶の一語につきる。<br /><br />満身創痍の体にむち打ってあえぎ、苦しみなら、曲の中に潜む苦闘を精一杯表現しようとする老巨匠が、ひきずるようにどとめの和音打撃を打ちこんで、果てしない２７分の壮大なドラマがここに完結する。<br /><br />　<!a href="http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00949c.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00949c.jpg" alt="CD00949c.jpg" border="0" width="400" height="221" /><!/a><br /><br /><blockquote><p>「まず第１楽章のテンポ。ほとんど失速寸前とさえ思われるほどのギリギリの限界をあえて選択し、しかも、そのなかで、決して弛緩することのない音楽の流れを生み出している点は、この指揮者の真骨頂とも言うべきものと考えられるだろう。ただし、ときに、オーケストラがいくぶん“息切れ”気味の表情を呈する部分がないわけではないことも事実。とはいえ、それが、クレンペラーのマーラーの核心部分を歪めるような類のものではないことも、明らかだろう。」 <span style="color:#6666ff">（<img src="http://blog-imgs-1-origin.fc2.com/image/e/122.gif"  class="emoji" style="border:none;" /> 岡部真一郎氏による月評、TOCE3233/4、『レコード芸術』 通巻第５６４号より、音楽之友社、１９９７年）</span></p></blockquote><br /><blockquote><p>「第２楽章以下がいかにも渋すぎ、間のびしがちです。しかし第１楽章は素晴らしい。やはり遅いテンポですが、力まず、丁寧で柔らかく、恰幅が大きい。誰とも違うマーラーで、これがベストとはいいませんが、まさに大家、巨匠の棒。指揮の深い懐に音楽が安心して身を任せています。」 <span style="color:#6666ff">（<img src="http://blog-imgs-1-origin.fc2.com/image/e/122.gif"  class="emoji" style="border:none;" /> 「現代名曲鑑定団」 第９９回より宇野功芳氏、～『レコード芸術』通巻第６９０号、２００８年）</span> </p></blockquote><br /><blockquote><p>「ここではすべての響きが全開。第１楽章から、決して焦らず、堂々と進む。古代ユダヤ教的ないかめしさやよそよそしさもあり、肩肘張った古武士のようでもある。生と死とが真正面からぶつかり合い、息苦しいほどの剛直さ、豪気さに溢れている。デューラーの銅版画《騎士と死と悪魔》のように、まさに生きる決死の思いが響きの厳しさの中から伝わってきて、手に汗握る。コロセウムで獅子と戦う剣闘士を見ているようなすさまじい絵図が展開している。」 <span style="color:#6666ff">（<img src="http://blog-imgs-1-origin.fc2.com/image/e/122.gif"  class="emoji" style="border:none;" /> 「喜多尾ゼミナール」 第３５回より、喜多尾道冬氏による“クレンペラー饒舌の向こうの「沈黙」”～『レコード芸術』通巻第６７１号、２００６年） </span></p></blockquote><br /><blockquote><p>「クレンペラーの怜悧な頭脳は、いつも作曲家の本質を余すところなく暴かずにはおれない。作品の外面には無頓着、ずかずかと作曲家の内面に分け入っては、意地悪なほど無造作にその判断結果を聴衆の前に陳列していく。ただひたすらに作曲家の正体、作品の本質が思われる演奏。では、その音楽は、血も凍る冷たいものだったか。断固、否である。その不屈の精神美を聴け。」 <span style="color:#6666ff">（<img src="http://blog-imgs-1-origin.fc2.com/image/e/122.gif"  class="emoji" style="border:none;" /> 『クラシックＣＤの名盤・演奏家編』より福島章恭氏による、文藝春秋、２００８年）</span> </p></blockquote><br />　　<!a href="http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00947.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00947.jpg" alt="CD00947.jpg" border="0" width="253" height="300" /><!/a><br />　　　<span style="font-size:x-small;">Albrecht Duerer "Ritter,Tod und  Teufel (Der Reuther)" （1513）</span><br /><br /><br />第２楽章以下は後日へ続く。<br /><br /><span style="color:#990000">↓この記事を面白いと思った方はクリックをお願いします♪</span><br /><a href="http://classic.blogmura.com/cdlistening/" target="_blank"><img src="http://classic.blogmura.com/cdlistening/img/cdlistening80_15.gif"width="80"height="15" border="0" alt="にほんブログ村 クラシックブログ クラシックCD鑑賞へ" /></a>　　　<a href="http://blogranking.fc2.com/in.php?id=314919" target="_blank"><img src="http://blogranking.fc2.com/ranking_banner/e_02.gif"style="border:0px;"alt="FC2Blog Ranking" /></a>　　　<a href="http://blog.with2.net/link.php?672660" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-18-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/banner_04.gif" border="0" alt="人気ブログランキングへ" /></a><br /><br /><script type="text/javascript" charset="euc-jp" src="http://blog.with2.net/vote/form.php?sid=672660&id=24593&size=2"></script><br /> ]]>
</content:encoded>
<dc:subject>クレンペラー，オットー</dc:subject>
<dc:date>2009-11-22T10:00:00+09:00</dc:date>
<dc:creator>野田爺＠クラシック</dc:creator>
<dc:publisher>FC2-BLOG</dc:publisher>
</item>
<item rdf:about="http://musikfreund.blog64.fc2.com/blog-entry-93.html">
<link>http://musikfreund.blog64.fc2.com/blog-entry-93.html</link>
<title>宇野功芳の“すごすぎる”世界より〈ベートーヴェンの運命〉</title>
<description> ベートーヴェン/交響曲第5番ハ短調 作品67「運命」宇野功芳（指揮）大阪フィルハーモニー交響楽団２００５年４月１０日 大阪　ザ・シンフォニーホール（ライヴ録音）EXTON OVCL-00107（オクタヴィア・レコード ２００５年１０月発売）Beethoven Symphonie Nr.5 in c-moll,Op.67 [37:09]　1.Allegro con brio　2.Andante con moto　3.Allegro - (attaca;)　4.AllegroKoho Uno ,conductorOsaka Philharmonic OrchestraRecording: 200
 </description>
<content:encoded>
<![CDATA[ ベートーヴェン/交響曲第5番ハ短調 作品67「運命」<br />宇野功芳（指揮）<br />大阪フィルハーモニー交響楽団<br />２００５年４月１０日 大阪　ザ・シンフォニーホール（ライヴ録音）<br /><!a href="http://blog-imgs-18-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CDROM1.gif" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-18-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CDROM1.gif" alt="CDROM1.gif" border="0" width="32" height="32" /><!/a>EXTON OVCL-00107（オクタヴィア・レコード ２００５年１０月発売）<br /><br />Beethoven Symphonie Nr.5 in c-moll,Op.67 [37:09]<br />　1.Allegro con brio<br />　2.Andante con moto<br />　3.Allegro - (attaca;)<br />　4.Allegro<br />Koho Uno ,conductor<br />Osaka Philharmonic Orchestra<br />Recording: 2005.4.10 The Symphony Hall (Live Recording)<br />Mixed and Mastered at EXTON studio, Yokohama<br /><hr size="1" /><br />演奏<span style="color:#990000">★★★</span><span style="color:#ff3300">☆</span>　　録音<span style="color:#990000">★★★★</span>　　　　　　［評価<span style="color:#990000">★</span>が２点、<span style="color:#ff3300">☆</span>が１点の１０点満点］<br /><hr size="1" /><br />お気に入りのＣＤや海外のライブ録音を気ままに紹介する Musikfreund（ムジークフロイント）。本日は、音楽評論家であり、指揮者でもある宇野功芳氏の指揮、大阪フィルの演奏で<span style="color:#339900">ベートーヴェンの交響曲第５番「運命」</span>を聴く。<br /><br />　　<!a href="http://blog-imgs-18-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00560.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-18-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00560.jpg" alt="CD00560.jpg" border="0" /><!/a>　　　　<a href="http://click.linksynergy.com/fs-bin/click?id=sQzUt5PW8iQ&offerid=131139.609549997&type=10&subid=" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-18-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/Z1_HMV.gif" alt="このCDをHMVで購入する" border="0" /></a><img alt="icon" width="1" height="1" src="http://ad.linksynergy.com/fs-bin/show?id=sQzUt5PW8iQ&bids=131139.609549997&type=10&subid=">　　　　<a href="http://www.amazon.co.jp/gp/product/B000BKTDPW?ie=UTF8&tag=musikfreund-22&linkCode=as2&camp=247&creative=1211&creativeASIN=B000BKTDPW" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-18-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/z1_amazon.gif"alt="このCDをamazonで購入する" border="0" /></a><img src="http://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=musikfreund-22&l=as2&o=9&a=B000BKTDPW" width="1" height="1" border="0" alt="" style="border:none !important; margin:0px !important;" /><br /><br /><br />２００５年４月１０日、宇野功芳氏が<span style="color:#339900">ザ・シンフォニーホール</span>で大阪フィルを指揮したコンサートの後半のプログラムはベートーヴェンの交響曲第５番「運命」。宇野功芳氏が敬愛してやまない朝比奈先生のオーケストラであった大フィルをはじめて振るこの演奏会は、関西の音楽ファンのみならず、わが国の音楽界の珍事といってよい。これはまさしく<span style="color:#339900">「すごすぎる世界」</span>。<br /><br />会場は満席で、この日ばかりは関東や東海地方から新幹線で駆けつけた熱心な音楽ファンも多かったという。このＣＤはそのコンサートのライヴ録音である。<br /><br /><blockquote><p>「ぼくが朝比奈隆指揮の大フィルを初めて聴き、日本にもこんな巨匠が存在するのか、と驚嘆したのは１９６３年のことで、それ以後、４０年近くにもわたって応援しつづけた。朝比奈先生とは特別に親しい関係になったのは当然としても、その死にいたるまで、ぼくにとってはあくまで師であり、偉大な先輩であったことに変りはない。今回、初めて大阪フィルを振らないか、というお話を伺ったときは体の震える思いをしたが、一方、朝比奈先生の育てられたオケを指揮できる喜びも言葉に尽くせないほどだ。しかし、ぼくの演奏は正統派の先生とは正反対、天国の先生には叱られそうだが、そこで自分を抑えては中途半端なものに終わってしまう。思うぞんぶん個性を羽ばたかせ、楽譜忠実主義の今の音楽界に一石を投じたいと強く願うものである。」<span style="color:#6666ff"> （ 宇野功芳氏「コンサートに向けて」より）</span></p></blockquote><br /><br />オーケストラの配置はチェロを外側に置いたスタイル。宇野氏はアンサンブルＳＡＫＵＲＡで慣れている配置にしたいとのことで、チェロ奏者の不平不満を尻目に大フィルのいつもの配置を変更してのぞんだとのことである。さらに宇野氏たっての希望で客演コンサートミストレスとして<span style="color:#339900">佐藤慶子氏</span>を招聘。佐藤氏は新星日響のコンサートミストレス時代に宇野氏とは何度か演奏している気心の知れた間柄。ボウイングを記入している楽譜を持って参加し、宇野氏をサポートする。<br /><br />　 <!a href="http://blog-imgs-18-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00561.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-18-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00561.jpg" alt="CD00561.jpg" border="0" width="315" height="180" /><!/a><br /><br /><br /><br /><img src="http://blog-imgs-1-origin.fc2.com/image/e/180.gif"  class="emoji" style="border:none;" /> <span style="color:#0066ff"><u>第１楽章アレグロ・コン・ブリオ４の２拍子</u></span><br /><br />〈運命〉の冒頭は<span style="color:#339900">８分休符</span>＋<span style="color:#339900">８分音符</span>３つで<span style="color:#339900">裏拍</span>から、しかもｆｆで始まるために非常に緊張する開始である。指揮者は振りかぶって棒を大きく下ろし、それに反応する形で３つの８分音符を一気に弾かせるのが通例（指揮者によって異なる）だが、宇野氏は３つのフォルテをしっかり弾かせ、フェルマータをほど良く引きのばす。ＣＤで聴くと低弦がたっぷりと入ったやわらかな音場が心地よい。<br /><br /><span style="color:#339900">１０小節目</span>で減速して３度目の<span style="color:#339900">フェルマータ</span>を大きく引きのばす音楽はじつにダイナミックだ。<span style="color:#339900">５７小節</span>の和音で減速するとホルンがゆったりと動機を奏でる。<span style="color:#339900">第２主題のドルチェ・フレーズ</span>とクラリネットのソロのテンポの遅さは気味が悪いほど。冒頭の繰り返しはアインザッツに乱れが生じる。しかし、ここはフルベン流に３つの８分音符を重くえぐるように弾かせる宇野氏の明確な意図が感じられ、気合い充分だ。<br /><br /><blockquote><p>「休憩後に演奏された〈運命〉では、デーモン宇野の哄笑がそこかしこに聴こえる。最初の運命動機、８分音符の３つ目がはっきりしない。宇野氏はこれまで３つの８分音符の音価を長く取り、ものものしく開始してきたので、これは予想外。が、いかにも即興的で、これはこれで悪くない。第２主題の弦が繊細優美なのは想定の範囲内だが、続くクラリネットのテンポルバートには仰天。客席では浮遊感すら覚えた。」 <span style="color:#6666ff">（<img src="http://blog-imgs-1-origin.fc2.com/image/e/122.gif"  class="emoji" style="border:none;" /> 宇神幸男氏によるライナーノートより）</span> </p></blockquote><br /><br /><span style="color:#339900">展開部（１２５小節）</span>の音楽は荘厳きわまりない。これを受けるヴィオラ、チェロの対位旋律は恰幅が良く、音楽は濃い。中低音を厚く響かせるところは亡き朝比奈先生の音楽を偲ばせるものがある。<br /><br />サプライズは<span style="color:#339900">１７５小節のピウ・フォルテ</span>。ティンパニの突然の強打で聴衆の度肝を抜く。宇野氏は<span style="color:#339900">「ざまあみろ」</span>と心の中で叫んでいるに相違ない。そして<span style="color:#339900">１９８小節</span>の大減速。とくに<span style="color:#339900">展開部</span>終結のものものしい減速は圧巻で、ゲテモノ好きの音楽ファンもこれには納得。音楽はドラマだ。オーボエのカデンツァも思い入れたっぷりに奏で、奏者までがよろめくように陶酔する音楽からは浪花の華がこってりと香り立つ。<br /><br />　　<!a href="http://blog-imgs-18-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00562.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-18-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00562.jpg" alt="CD00562.jpg" border="0" width="315" height="225" /><!/a><br /><br /><br /><span style="color:#339900">再現部</span>のしっかりとした足取りで進む音楽は堂々たるもので、朝比奈先生が乗り移ったかのようにテンポに揺るぎがない。そして極めつけは<span style="color:#339900">コーダ</span>。呻りをあげるホルン、切り刻むような弦楽器に続いて<span style="color:#339900">３９６小節</span>のティンパニの最強打！　活火山が大爆発したように音楽は切り立ち、すさまじい展開には鳥肌が立ってくる。死にものぐるいで両腕を上下にバタバタと激しく振る宇野氏は鬼神のごとく燃え上がる。<br /><br />最後の<span style="color:#339900">フェルマータ</span>のものものしいリタルダンド、大きく間を入れる休符、気味の悪いほどゆっくり入るセカンド・ヴァイオリン、すさまじい加速をかけて突き進み、えぐるように減速してとどめをきめるフィニッシュなど、およそ信じられないような<span style="color:#339900">ウルトラＣ級のワザ</span>を繰り出す宇野氏の秘術にすっかり酔わされてしまい、会場内は興奮の坩堝と化した。宇野功芳や恐るべし！　これほどの奇策（奇術といってもよい）を目の当たりに見せられては、さしものフルトヴェングラーも生きていれば<span style="color:#339900">〈宇野氏が“振ると面食らう”〉</span>に違いない。<br /><br /><br /><blockquote><p>「展開部のコントラバスのピツィカート強奏、ティンパニの鉄槌を下すかのような雷撃、展開部の終わりのいまにも止まりそうな大減速、再現部冒頭の大爆発、オーボエの息の長いカデンツァ、再現部終わりの落雷のようなティンパニ・・・・、宇野節が次々と繰り出される。コーダでは大噴火のような昂揚と気息奄々の長い間を経て、最後はトランペットの強調で決然と終わる。」<span style="color:#6666ff"> （<img src="http://blog-imgs-1-origin.fc2.com/image/e/122.gif"  class="emoji" style="border:none;" /> 宇神幸男氏によるライナーノートより）</span></p></blockquote><br /><blockquote><p>「指揮者がオーケストラを振って可能な表現には、当然ながら限界があり、メンゲルベルク、ストコフスキーといったあたりが、そうした極限での録音を残している両横綱。表現が極端になる場合には、パート譜に全て書き込んでおき、練習で徹底させ、本番では打ち合わせどおりに振るという段取りになるのだが、宇野氏は、そうした通常の方法論の臨界を超えたところで遊ぼうとする。氏の目指すのが即興的なデフォルメにあるのは以前と変わらない。」<span style="color:#6666ff"> （<img src="http://blog-imgs-1-origin.fc2.com/image/e/122.gif"  class="emoji" style="border:none;" /> 金子健志氏による月評、『レコード芸術』通巻第６６３号より、音楽之友社、２００５年）</span> </p></blockquote><br /><br /><br /><img src="http://blog-imgs-1-origin.fc2.com/image/e/181.gif"  class="emoji" style="border:none;" /> <span style="color:#0066ff"><u>第２楽章アンダンテ・コン・モート８分の３拍子</u></span><br /><br />この第２楽章はＣＤで聴くとじつに内容が深い。ヴィオラ、チェロがたっぷりとフォルテで弾く音楽は堂々たるもので、朝比奈先生の演奏を彷彿とさせる。木管楽器のしみじみとした味わい深さもたまらない。<span style="color:#339900">第１変奏</span>の濃厚な音楽からはロマンの香りが満面に立ちこめてくる。<br /><br /><span style="color:#339900">６４小節</span>で歌い返すヴァイオリンの美しいこと！　この玄妙なる味わいは巨匠のみの成せるワザであろうか。ティンパニのトレモロの強打、コントラバスの凄まじい返しにはドスを効かせ、メリハリをつけた音楽はスケールが大きい。しかし第１変奏の<span style="color:#339900">コデッタ</span>はテンポが遅すぎて、音楽が間延びしてしまう。<br /><br />聴きどころは<span style="color:#339900">第２変奏</span>。ヴィオラ、チェロの流れるような変奏主題を受けて、ファースト・ヴァイオリンが<span style="color:#339900">１０６小節</span>からアルコで奏でる音楽は美しい。宇野氏はさすがは合唱指揮者らしく、旋律に愛を込めるかのようにやさしく歌わせているのだ。総奏では伴奏のヴァイオリンとヴィオラを弱めて低音弦のメロディーをたっぷりと響かせている演出も心憎いばかりだ。<br /><br /><blockquote><p>「第２楽章はまず雄弁な弦の響きに心惹かれる。低減のピツィカート強奏、ティンパニの強打、低弦の重低音の最強奏が第２主題のファンファーレを壮麗に盛り上げる。３８小節からの推移部分は、神秘的な弦の弱音とテヌートが、まるで夜のとばりが下りてくるように美しい。１０７小節以下のファゴットとクラリネットも瞬く星のようだ。１４７小節からのティンパニの強調も耳に残る。」　<span style="color:#6666ff">（<img src="http://blog-imgs-1-origin.fc2.com/image/e/122.gif"  class="emoji" style="border:none;" /> 宇神幸男氏によるライナーノートより）</span></p></blockquote><br /><br /><span style="color:#339900">第２変奏</span>の終わりの総奏はティンパニの大爆発だ。会場では耳をふさぎたくなるほど響いていたが、トレモロを<span style="color:#339900">「ドカドカ」</span>と容赦なく打ち込んでくるところは圧巻で、生々しい音場が凄まじい迫力で目の前に迫ってくる。しかし<span style="color:#339900">第４変奏</span>の総奏は旋律線が延びきって音楽がもたれてしまう。もう少し引き締まった音楽が欲しい気もしたが、<span style="color:#339900">コーダ</span>では宇野氏は奥の手を見せる。<br /><br />　　<!a href="http://blog-imgs-18-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00567.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-18-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00567.jpg" alt="CD00567.jpg" border="0" width="244" height="180" /><!/a><br /><br /><br />ファースト・ヴァイオリンとヴィオラが<span style="color:#339900">ドルチェ</span>で歌う音楽はうるおいを湛え、あたかも人生の夕映えのような美しさをかいま見せると、消え入るかのように長い静寂がおとずれる。聴衆は淡くほのかな黄昏の残光の中で、人生の閑雅をこころゆくまで味わうのである。<span style="color:#339900">宇野美学</span>ここに極まれり。ものものしい<span style="color:#339900">フォルテの和音</span>の終結はいかにもフルベン流だ。<br /><br /><blockquote><p>「終始部を導く２２３小節以下、きわてめ遅いテンポで弦が身悶えるように歌い、胃が痛くなるような長い休止を経て終わるが、４０番の第２楽章同様、全曲の白眉というべきで、なによりも緩除楽章でこのような名演がなしとげられたことに感嘆を禁じ得ない。」 <span style="color:#6666ff">（<img src="http://blog-imgs-1-origin.fc2.com/image/e/122.gif"  class="emoji" style="border:none;" /> 宇神幸男氏によるライナーノートより）</span></p></blockquote><br /><br /><br /><img src="http://blog-imgs-1-origin.fc2.com/image/e/182.gif"  class="emoji" style="border:none;" /> <span style="color:#0066ff"><u>第３楽章アレグロ（スケルツォ）４分の３拍子</u></span><br /><br />張りのあるホルンの合図で進行する<span style="color:#339900">スケルツォ</span>はじつに堂々たる音楽で、こせこせしたところが微塵もない。<span style="color:#339900">１１４小節</span>から低音の対位旋律がくわわると音楽に暖かみが増してくる。硬軟織り交ぜた懐の深さは大家の音楽と呼ぶにふさわしい。<br /><br /><span style="color:#339900">トリオ</span>はリズミカルだ。実演では迫力不足で物足りなさを感じたものだが、こうしてＣＤで聴いてみると、成熟した音楽が鳴っているのがよくわかる。そしてここ一番の決めどころではティンパニの凄まじい強打によって、パンチを喰らわすあたりは宇野氏の面目躍如たるところだ。<br /><br />大きな聴きどころはピアニシモで進行するスケルツォの<span style="color:#339900">再現部</span>。心臓の鼓動のように響くティンパニの固いリズムにのって、寂しげな足取りで進行する音楽は味わいが深い。弦楽器の装飾音をはっきり聴き取れるような工夫を凝らしているのも面白い。そして<span style="color:#339900">感興のブリッジ</span>では大減速。大きくねばりを入れて、あたかも大地が揺れ動くがごとく凄まじくクレッシェンドする音楽は、聴く者を震撼させる。宇野功芳氏の命を賭けた大勝負といってよい。<br /><br /><blockquote><p>「第３楽章は概ね正攻法で進められるが、ブリッジの最後はクレッシェンドとリタルダンドを同時進行させ、最後までトレモロにせず強打させるティンパニが、まるで歌舞伎の鳴り物のようで実にユニークだ。」<span style="color:#6666ff"> （<img src="http://blog-imgs-1-origin.fc2.com/image/e/122.gif"  class="emoji" style="border:none;" /> 宇神幸男氏によるライナーノートより） </span></p></blockquote><br />　　<!a href="http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00931.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00931.jpg" alt="CD00931.jpg" border="0" width="360" height="229" /><!/a><br /><br /><br /><br /><img src="http://blog-imgs-1-origin.fc2.com/image/e/183.gif"  class="emoji" style="border:none;" /> <span style="color:#0066ff"><u>第４楽章アレグロ４分の４拍子</u></span><br /><br /><span style="color:#339900">アレグロ</span>の音楽は大爆発だ。ホルンが大きく勝ち鬨をあげるとティンパニが乱打する音楽は暴力的ともいえる。まるで<span style="color:#339900">《春の祭典》</span>を聴いているかのような野性味溢れる音楽が鳴っている。ここまで粗暴に演奏する必要があるのかと会場では疑問に思ったほどである。<span style="color:#339900">提示部コデッタ</span>では加速をかけ、リピートなしで<span style="color:#339900">展開部</span>に入ると減速する。サプライズは<span style="color:#339900">１０６小節（練習番号Ｃの手前）</span>の大減速。そして<span style="color:#339900">１２２小節</span>よりティンパニを強打させると加速をかけて一気呵成に総奏へと突入する展開は圧巻である！<br /><br /><blockquote><p>「終楽章は遅めのテンポで楽器を目いっぱい鳴らし、豪快に進める。展開部１０６小節以下ではコントラファゴットにトロンボーンを追加し、テンポを落として吹鳴（クナッパーツブッシュに前例あり）するが、凄絶かつ神秘的な響きだった実演に比べ、録音では凱歌のように聴こえる。１４２～１４３小節の、ヴァイオリンが急降下して急上昇する音型の直前、一瞬息をのむスビトピアノを入れ、あたかも絶叫マシンに乗ったかのようなスリルを体感させる。フルトヴェングラーの１９４３年盤やフリッチャイ盤でも同じ手法が聴かれるが、これほどスリリングではない。」 <span style="color:#6666ff">（<img src="http://blog-imgs-1-origin.fc2.com/image/e/122.gif"  class="emoji" style="border:none;" /> 宇神幸男氏によるライナーノートより）</span></p></blockquote><br />音楽に大きく動きが出てくるのは感興の<span style="color:#339900">コーダ</span>。早いテンポによって宇野氏が躍動し、音楽にノッている熱気がＣＤからも伝わってくる。<span style="color:#339900">練習番号Ｈ</span>で豪快に和音をタテ続けに叩きつける場面はまさにフルベン流。そしてサクサクと歯切れ良く料理する<span style="color:#339900">プレスト</span>の音楽は素晴らしいの一語に尽きる。<span style="color:#339900">４２０小節</span>からのティンパニの最強打はもはや常識をはるかに越えたもので、聴き手は唖然とするほかはない。<br /><br />宇野氏はティンパニ奏者をまるで目のカタキにしたように狙い打ち。指揮棒を突きつけて執拗に強打をけしかける。これではティンパニ奏者は恥をかなぐり捨てて、馬車馬のように暴れるしかない。フィニッシュは<span style="color:#339900">４３８小節</span>でリタルダンドをかけると、とどめはティンパニのトレモロ。二度に叩き分けてクレッシェンドする大ワザをぶちかまして名曲の幕が豪快に閉じられる。聴衆は吃驚仰天するとともに、会場は割れんばかりの熱狂の嵐につつまれたことは言うまでもない。<br /><br /><br /><blockquote><p>「ゆっくり目のテンポで進めてきただけに、コーダのアッチェレランドはただならぬ興奮を呼び起こす。が、もちろんそれだけに終わるはずがない。４３２小節からの全奏を一音一音、杭を打ち込むように抉り、絶妙な間を置いてから、最後はティンパニのトレモロを二度打ちさせ、しかも二度目は大音量でクレッシェンドし、獅子吼して終わるのである。まことにスリル満点・痛快無類ではあるが、近年の名演であるノリントンやラトルにはない、悠揚として威風あたりをはらう趣、これこそがこの演奏の真骨頂であろう。」 <span style="color:#6666ff">（<img src="http://blog-imgs-1-origin.fc2.com/image/e/122.gif"  class="emoji" style="border:none;" /> 宇神幸男氏によるライナーノートより）</span> </p></blockquote><br /><blockquote><p>「それにしても大フィルのうまさ、反応の良さ、音色の美しさ、献身的な演奏態度に感激。オーケストラ自体の実力が朝比奈時代に比べて格段にアップしている。とくに弦の音色とアンサンブル、そして超ｐｐを痩せずに出せる実力に舌を巻く。もちろん往年の重量感も健在。指揮台では木管、金管、ティンパニが弱く聴こえたが、客席には十分通り、響いていたとのこと。いつものことながら指揮者はその点ではつまらない。」 <span style="color:#6666ff">（<img src="http://blog-imgs-1-origin.fc2.com/image/e/122.gif"  class="emoji" style="border:none;" /> 宇野功芳著 『宇野功芳のクラシックの聴き方』、音楽之友社、２００６年）</span> </p></blockquote><br /><br />コンサートミストレスの佐藤慶子氏は宇野氏に大きな拍手を送り、稀代の「迷演奏」を称えてやまない。本日の主役たるティンパニ奏者はクールに装いながらも、トランペット奏者に冷やかされて照れを隠しきれない。宇野氏は受け取った花束を、首席ヴィオラ奏者の小野眞優美氏に贈るダンディぶりを発揮。これを受け取る小野氏のクールな目が印象的だ。<br /><br />　　<!a href="http://blog-imgs-18-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00566.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-18-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00566.jpg" alt="CD00566.jpg" border="0" width="180" height="129" /><!/a><br /><br /><br />本日のコンサートの模様は、仕掛け人である<span style="color:#339900">「浪花のよっさん」</span>こと吉川智明氏が担当するＦＭ大阪 <a href="http://fmosaka.net/kurakore/" target="_blank">「おしゃべり音楽マガジンくらこれ」</a>でさっそく紹介された。モーツァルトのジュピター交響曲（Ｋ５５１）を流して<span style="color:#339900">「ゴーゴーイチ」</span>と叫ぶ番組のオープニングはスポンサーの関係による。<br /><br /><span style="color:#6666ff">「〈運命〉のフィナーレの激しい気丈は本物の感動を与えてくれ、説得力のあるコーダは音楽を超越して人生を、さらには勇気と希望をもわれわれに与えてくれたのである」</span>という感激のお便りのほか、<span style="color:#6666ff"> 「もうちょいエグいやり方があっても良かった」</span>というキワモノ好きの音楽ファンの手厳しい声も。そして宇野氏の怪演に見事に応えた大フィルのすばらしい機能性について賛辞が寄せられたのである。<br /><br /><br /><blockquote><p>「クナッパーツブッシュやフルトヴェングラーの録音で“天才的な閃きによる即興”と感じられる箇所の多くに、禁断の領域を垣間見たかのような魔力があるのは確かだが、第三者がそれを実践するのは危険。しかし、宇野氏はそうしたことは承知の上で、あえて風車に突進しようとするのだ。たまたま、ベートーヴェンより以前の、スコアに表現上の指示がほとんどない曲ばかりが選ばれているが、例えば「《運命》の第１楽章の運命主題再現では、リテヌート的な強調はなかったのだろうか？」といった、誰でも懐く疑問に極限的なデフォルメで挑んだ形だ。《４０番》の主題にポルタメントをかけるのは解るのだが、それにテンポの伸縮まで付加すると冗談音楽の領域になってしまう。そうした際どい遊びに、距離を置いて楽しめるファンに薦めたい。」 <span style="color:#6666ff">（<img src="http://blog-imgs-1-origin.fc2.com/image/e/122.gif"  class="emoji" style="border:none;" /> 金子健志氏による月評、『レコード芸術』 通巻第６６３号より、音楽之友社、２００５年） </span></p></blockquote><br /><blockquote><p>「演奏終了後の聴衆の反応は人それぞれ、でも、それが音楽（演奏）というものの面白さであろう。とにかく、学問ではないのだから、お客さんをまず楽しませなければ話にならない。“真剣な遊び”こそ僕の目指すところであり、それに対して賛否両論出るのはあたりまえ。録音発売の折はいろいろあるだろうが、やはりＣＤはＣＤ。本番こそ真実ではないだろうか。」<span style="color:#6666ff"> （<img src="http://blog-imgs-1-origin.fc2.com/image/e/122.gif"  class="emoji" style="border:none;" /> 宇野功芳著 『宇野功芳のクラシックの聴き方』、音楽之友社、２００６年）</span> </p></blockquote><br /><br />フルトヴェングラーを生で聴けばかくやと思わせる即興性は比類がなく、時には肝を冷やすテンポの変化で影を落としつつ、音楽に輝かしいほどの活力と生命力を注ぎ込み、これに応える大フィルの剛毅で重量感あふれる演奏は聴く者を興奮させてやまない。これは熱烈な音楽ファンならずとも一度は耳にしたい宇野功芳氏の<span style="color:#339900">「いのちを賭けた〈運命〉」</span>ともいうべきお宝の一枚である。<br /><br />　　<!a href="http://blog-imgs-18-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00563.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-18-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00563.jpg" alt="CD00563.jpg" border="0" width="200" height="251" /><!/a><br /><br />◆過去のエントリー<br /><a href="http://musikfreund.blog64.fc2.com/blog-entry-59.html" target="_blank"><br />宇野功芳のすごすぎる世界「モーツァルトの４０番」</a><br /><br /><br /><span style="color:#990000">↓この記事を面白いと思った方はクリックをお願いします♪</span><br /><a href="http://classic.blogmura.com/cdlistening/" target="_blank"><img src="http://classic.blogmura.com/cdlistening/img/cdlistening80_15.gif"width="80"height="15" border="0" alt="にほんブログ村 クラシックブログ クラシックCD鑑賞へ" /></a>　　　<a href="http://blogranking.fc2.com/in.php?id=314919" target="_blank"><img src="http://blogranking.fc2.com/ranking_banner/e_02.gif"style="border:0px;"alt="FC2Blog Ranking" /></a>　　　<a href="http://blog.with2.net/link.php?672660" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-18-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/banner_04.gif" border="0" alt="人気ブログランキングへ" /></a><br /><br /><script type="text/javascript" charset="euc-jp" src="http://blog.with2.net/vote/form.php?sid=672660&id=24121&size=2"></script><br /> ]]>
</content:encoded>
<dc:subject>宇野功芳</dc:subject>
<dc:date>2009-11-16T17:30:00+09:00</dc:date>
<dc:creator>野田爺＠クラシック</dc:creator>
<dc:publisher>FC2-BLOG</dc:publisher>
</item>
<item rdf:about="http://musikfreund.blog64.fc2.com/blog-entry-92.html">
<link>http://musikfreund.blog64.fc2.com/blog-entry-92.html</link>
<title>ショルティ＝シカゴ響来日公演の回想より マーラー交響曲第5番嬰ハ短調</title>
<description> ゲオルク・ショルティ指揮　シカゴ交響楽団１９７７年６月２０日 大阪フェステバルホールGustav Mahler Symphonie Nr.5  C sharp minor　1. Trauermarsch (In gemessenem Schritt. Streng, Wie ein Kondukt)　2. Sturmisch bewegt. Mit grosster Vehemenz.　3. Scherzo (Kraftig, nicht zu schnel)　4. Adagietto (Sehr langsam)　5. Rondo-Finale (Allegro giocoso)Sir Georg Solti,conductorChicago Symphony Orchestra1977.6.20
 </description>
<content:encoded>
<![CDATA[ ゲオルク・ショルティ指揮　シカゴ交響楽団<br />１９７７年６月２０日 大阪フェステバルホール<br /><br />Gustav Mahler Symphonie Nr.5  C sharp minor<br />　1. Trauermarsch (In gemessenem Schritt. Streng, Wie ein Kondukt)<br />　2. Sturmisch bewegt. Mit grosster Vehemenz.<br />　3. Scherzo (Kraftig, nicht zu schnel)<br />　4. Adagietto (Sehr langsam)<br />　5. Rondo-Finale (Allegro giocoso)<br />Sir Georg Solti,conductor<br />Chicago Symphony Orchestra<br />1977.6.20 Festival Hall, Osaka<br /><hr size="1" /><br />演奏<span style="color:#990000">★★★★★</span>  音響<span style="color:#990000">★★★★★</span>　　　　　［評価<span style="color:#990000">★</span>が２点、<span style="color:#ff3300">☆</span>が１点の１０点満点］<br /><hr size="1" /><br />お気に入りのＣＤや海外のライブ録音を気ままに紹介する Musikfreund（ムジークフロイント）。本日はショルティ指揮、シカゴ交響楽団の<span style="color:#339900">マーラー交響曲第５番嬰ハ短調</span>について、来日公演の思い出を中心に綴りたい。<br /><br />ハンガリーの巨匠ゲオルク・ショルティはマーラーの交響曲の演奏で一世を風靡したことは我々の記憶にあたらしい。とくにシカゴ交響楽団とのコンビによるレコーディングの第１弾となったのが、１９７０年に録音した「交響曲第５番嬰ハ短調」である。<br /><br />　<!a href="http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00920.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00920.jpg" alt="CD00920.jpg" border="0" width="225" height="220" /><!/a>　　　　<a href="http://click.linksynergy.com/fs-bin/click?id=sQzUt5PW8iQ&offerid=131139.610911939&type=10&subid=" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-18-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/Z1_HMV.gif" alt="このCDをHMVで購入する" border="0" /></a><img alt="icon" width="1" height="1" src="http://ad.linksynergy.com/fs-bin/show?id=sQzUt5PW8iQ&bids=131139.610911939&type=10&subid=">　　　　<a href="http://www.amazon.co.jp/gp/product/B000LZ54VY?ie=UTF8&tag=musikfreund-22&linkCode=as2&camp=247&creative=1211&creativeASIN=B000LZ54VY" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-18-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/z1_amazon.gif"alt="このCDをamazonで購入する" border="0" /></a><img src="http://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=musikfreund-22&l=as2&o=9&a=B000LZ54VY" width="1" height="1" border="0" alt="" style="border:none !important; margin:0px !important;" /><br /><br /><br />この演奏は<span style="color:#6666ff">「オーケストラ演奏に対する認識、価値観すら変革した歴史的事業であった。」（諸石幸生氏）</span>と評されるように、学生時代に購入したこのＬＰレコードは、筆者に強烈な印象を焼き付けた極めつけの名演奏といってよい。兎にも角にも、このレコードは音がよい。デッカならではのハイ・ファイ録音によって、マーラーの複雑なスコアが見透かせるように各パートがくっきりと鳴り響き、筋肉質で強靱な音塊が迫ってくる。<br /><br /><br />マーラーの交響曲第５番はショルティが音楽監督に就任した１年目のシーズン（１９６９年１１月）の定期公演のプログラムに取り上げた作品で、このコンビの看板曲ともいうべきものである。レコーディングはこの直後に行われたが、このコンビの真価を問う<span style="color:#339900">ニューヨーク公演（１９７０年１月９日）</span>においてもマーラーの交響曲の中でも難曲として知られる「第５番」が取り上げられ、ニューヨーカーの度肝を抜かしたことがショルティの自伝の中でも語られている。<br /><br /><br />　<!a href="http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00923.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00923.jpg" alt="CD00923.jpg" border="0" width="440" height="285" /><!/a><br /><br /><br />ショルティは定期演奏会を社交儀礼の場から<span style="color:#339900">音楽的体験の場</span>に変えたいと語っているように、この時の演奏は後生の語りぐさになるほど衝撃的で、コンサートというより音楽的事件であったという。<br /><br /><blockquote><p>「１年目のシーズンはマーラーの作品を演奏した。なかでもマーラー５番は忘れられない。始めてツアーをおこなったとき、ニューヨークのカーネギーホールで演奏したのもこの作品だった。私たちはまだ未知数の存在だったから、ニューヨーカーがどう反応するかいささか不安だった。終楽章を演奏し終えたとき、聴衆は総立ちになり、まるでロック・コンサートのような叫び声があがった。喝采は果てしなくつづいた。私たちの演奏が彼らを虜にしたのだ。あれほどの熱狂ぶりはそれまで経験したことがなかったし、今後もないだろう。」<span style="color:#6666ff"> （<img src="http://blog-imgs-1-origin.fc2.com/image/e/122.gif"  class="emoji" style="border:none;" /> ゲオルク・ショルティ著 『ショルティ自伝』、木村博江訳、草思社、１９９８年）</span> </p></blockquote><br />　<!a href="http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00922b.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00922b.jpg" alt="CD00922b.jpg" border="0" width="320" height="320" /><!/a><br /><br /><br />このニューヨーク公演はオール・マーラー・プログラム。交響曲第５番と亡き子をしのぶ歌。「亡き子」のソリストはイギリスのソプラノ歌手ヘレン・ウォッツ。カールギー・ホールは超満員の聴衆で埋めつくされ、若者も多かった。終演後は聴衆全員が起立して喝采を送り続け、熱狂のほどをしめしたという。<br /><br /><blockquote><p>「シカゴ交響楽団はすばらしいオーケストラである。暖かく輝くばかりの音を持ち、信じがたいほど柔軟で、しかもバランスがよい。フィラデルフィア管弦楽団の逸楽的なほどの豊麗さとクリーヴランド管弦楽団のぜい肉のとれた効率との中間をゆく音だ。低弦の豊かさがアンサンブルをよく支え、金管部門も最高である。だが、どんなに偉大なオーケストラといえども、その常任指揮者の反映である。この伝統ある楽団がふたたび実力を発揮したのも、すべてショルティの功績にほかならない。ショルティは今や世界第一級の指揮者の１人にのし上がろうとしている。－わたしは、なぜ最近シカゴの批評家がニコニコしているか、その理由が今わかった。」 <span style="color:#6666ff">（『ミュージカル・アメリカ』 誌、Ｐ．Ｊ．スミス氏の評）</span></p></blockquote><br /><blockquote><p>「シカゴ交響楽団は、テクニック、イントネーション、音の美しさ、およびアタックの正確さなど、あらゆる点において、よく訓練されている。その上、ショルティ氏ほどの名指揮者に恵まれている。」<span style="color:#6666ff"> （ 『ニューヨーカー』 誌、ウィンスロップ・サージェント氏の評） </span></p></blockquote><br /><blockquote><p>｢ショルティとシカゴ交響楽団の組み合わせは最高の名コンビだ。」 <span style="color:#6666ff">（『ＮＹタイムズ』 誌、以上、参考：<img src="http://blog-imgs-1-origin.fc2.com/image/e/122.gif"  class="emoji" style="border:none;" /> 門馬直美氏によるライナーノート、キングレコード、１９７４年、） </span></p></blockquote><br /><blockquote><p>「〈第５〉は、ショルティがシカゴ響に着任してまもない１９７０年１月に、オケぐるみニューヨークに客演して絶賛をはくした曲目だ。バーンスタインやブーレーズの下での、いわばヨーロッパふうの柔軟なＮＹフィルをきき慣れているニューヨーカーの耳に、堅固な鉄壁のようなシカゴ響とショルティはさぞすばらしくきこえたであろう。たしかにきこえ栄えのする奏法であり、そのことが、ショルティをレコードの賞をもっとも多く取得している指揮者にさせてもいるのだと思う。急速の楽章のみごとさは言わずもがなだが、むしろ、〈アダージェット〉の弦のフレージング、その大きな息づかいに、ワルター以来のマーラー像を見る思いがした。ただ、そのみごとな合奏力を誇示した急速楽章のダイナミズムは、どうしてもわたくしの好みに合わない。これは好みの問題としてあきらめるほかない。」 <span style="color:#6666ff">（<img src="http://blog-imgs-1-origin.fc2.com/image/e/122.gif"  class="emoji" style="border:none;" /> 柴田南雄著  『名演奏家のディスコロジー曲がりかどの音楽家』（音楽之友社、１９７８年）</span> </p></blockquote><br /><br /><br />はからずも筆者がこれと同じ体験を味わったのが、<span style="color:#339900">１９７７年のシカゴ交響楽団の初来日公演</span>での演奏だ。忘れもしない６月２０日、大阪フェスティバルホールで聴いた演目は、前半にモーツァルトのジュピター交響曲、後半にマーラーの交響曲第５番であった。<br /><br /><!a href="http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00922d.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00922d.jpg" alt="CD00922d.jpg" border="0" width="480" height="338" /><!/a><br /><br /><br />この時の演奏はすごかった。いや、たんにすごいというものではなく、およそ信じられないような驚異的ともいうべき<span style="color:#339900">シカゴ交響楽団のサウンド</span>に、「これがホンモノのオーケストラというものか！」と筆者は驚嘆した。会場にいわせた３千人足らずの聴衆は固唾をのんでくいるように演奏を聴き、五感を総動員してこの想像を絶する音楽体験を逃すまいと身を乗り出していた。<br /><br />　　<!a href="http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00924a.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00924a.jpg" alt="CD00924a.jpg" border="0" width="320" height="239" /><!/a><br /><br />　<br /><span style="color:#339900">アドルフ・ハーゼスの発するトランペットのファンファーレ</span>から、あっという間の６５分。筆者ははじめから最後まで体にビリビリと電気がはしったように震えっぱなし。第３楽章の<span style="color:#339900">オバケのようなホルンの音</span>にも腰を抜かしたが、力瘤の入った<span style="color:#339900">ロンド・フィナーレの急迫的な結びの一撃</span>のあとに、静寂を突きやぶる<span style="color:#339900">「お～～～～～」という歓声</span>が瞬時にフェスティバルホールにあがったときはとても信じられなかった。<br /><br />　 <!a href="http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00924c.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00924c.jpg" alt="CD00924c.jpg" border="0" width="320" height="242" /><!/a><br /><br /><br />このとき、一瞬耳が聞こえなくなったような錯覚にとらわれたほどで、クラシックのコンサートでこんな経験はあとにも先にもこれっきりだ。同じ年に生で聴いたムラヴィンスキー＝レニングラードフィルやカラヤン＝ベルリンフィルの感激など消し飛んでしまうほど、筆者にはあまりにも衝撃的な体験だった。<br /><br />このときの聴衆の誰もがあまりにも完璧な演奏に「信じられない」という気持ちで胸がいっぱいになって、放心状態で会場をあとにしたことだろう。その夜は興奮が醒めやらず、なかなか寝付かれなかったことを思い出す。<br /><br /><!a href="http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00922c.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00922c.jpg" alt="CD00922c.jpg" border="0" width="480" height="242" /><!/a><br /><br /><br /><br />このとき、会場で聴いたマーラーの音楽は、デッカのレコードと寸分違わぬ音で鳴っていた。あとから話しをしても<span style="color:#339900">「ほんまデッカ？」</span>と、誰にも信じてもらえなかったことである。常識的にはセッション録音によって収録したレコードと同じ音が、条件の異なるホールの生演奏で聴こえてくるはずはないのだが、各パートがレコードのようにくっきりと浮き立つように聴こてくる音楽は、まるでスコアを克明に音化したような機能美にあふれていた。<br /><br />　<!a href="http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00922a.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00922a.jpg" alt="CD00922a.jpg" border="0" width="320" height="311" /><!/a><br />　　<span style="font-size:x-small;">1977年日本公演プログラムは豪華な装丁だった</span><br /><br /><br /><span style="color:#666699">「レコードで聴くシカゴ響のサウンドは、われわれが音楽会場では到底、体験できないような鮮烈さで鳴っているが、音楽会場の客席にいて、指揮台上の位置からさえも、あのように諸楽器の音を間近に、生々しい音色できくことは不可能だ」</span>と柴田南雄氏が著しているように、あれはレコード会社の創り出した録音のマジックだと考えられていた。ところが、現実には音響条件の違いなど通り越して、あのとき、レコードと同じ音が目の前で鳴っていたのである。<br /><br /><br />　<!a href="http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00921a.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00921a.jpg" alt="CD00921a.jpg" border="0" width="219" height="220" /><!/a>　　<!a href="http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00921b.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00921b.jpg" alt="CD00921b.jpg" border="0" width="220" height="220" /><!/a><br />　　SLC6074～5 （キングレコード　1974年発売）<br /><br /><br />それまで、デッカのレコードでしか聴けなかったショルティ指揮のシカゴ交響楽団がヴェールを脱いだまさにその瞬間に居わせることが出来たことは、筆者の人生のなかで、きわめて貴重な体験だったといえる。<br /><br /><blockquote><p>「期待を上回るすばらしい音楽だった。ショルティ＝シカゴ交響楽団の演奏会に２回行き、聞きしに勝る大音響に文化会館もＮＨＫホールも震え、ぼくもまた震え通しだったのである。しかも大音響だからといって、決して喧しくはないし、また音の細部はよく彫琢錬磨され、時に繊細優美ですらあった。粗雑、荒削りからはほど遠く、ショルティの統率下で、百人を超える大オーケストラの楽団員全員が、実によく自分の楽器を鳴らしていた。ふだんレコードからはきこえてこない音がぼくの耳に届いた。なによりもショルティの一糸乱れぬ棒さばきには爽快味に溢れ、聴いた後にスカッと気分が晴れ上がり、梅雨期のモヤモヤが消えていった。２日とも、アンコールでワーグナーの《タンホイザー》序曲をやったが、もうこれにはただただ唖然として、ポーカンと口をあけたままぼくは聴き入ってたにちがいない。ワーグナー嫌いのぼくでも、無条件降伏するすばらしい音が鳴り響いていたのであった。」<span style="color:#6666ff"> （<img src="http://blog-imgs-1-origin.fc2.com/image/e/122.gif"  class="emoji" style="border:none;" /> 鍵谷幸信氏による「ショルティ＝シカゴ響を聴いて」より、～『レコード芸術』、音楽之友社、１９７７年）</span></p></blockquote><br /><blockquote><p>「アメリカのオーケストラは“よく鳴る”オーケストラではあるが、人間の心のむなしい音楽であったことが多かった。しかし、ショルティ指揮のシカゴ交響楽団（６月１８日所見）ではアメリカのオーケストラのよさを十分に味わうことができた。もちろんオーケストラが物量主義的なところはアメリカの他のオーケストラと共通しているが、これも、いわばアメリカの国民性で、１つのカラーというべきだろう。しかし他のオーケストラと違うのは、それが指揮者ショルティの持っている音楽の美学と一致して、それが音楽の迫力や、輝きを増大する大きな力となっていることだ。指揮者の音楽的資質と、オーケストラの機能性がよく一致共振して、このオーケストラの力をみごとに引きだしたものだろう。ショルティの魂がシカゴ交響楽団を得て、天に羽ばたいたという感じだ。」 <span style="color:#6666ff">（<img src="http://blog-imgs-1-origin.fc2.com/image/e/122.gif"  class="emoji" style="border:none;" /> 柴田仁氏による新聞評、１９７７年６月）</span></p></blockquote><br /><blockquote><p>「ショルティの力量をまざまざと見せ付ける結果になったのが１９７７年のシカゴ交響楽団との初来日であろう。１９６９年にショルティは音楽監督に就任し、両者の関係がもっとも緊密化していた時期の公演だけに演奏は真に圧倒的だった。私が聴いたのは６月８日、東京文化会館の公演で、モーツァルトの交響曲第４１番《ジュピター》と、マーラー交響曲第５番という、ショルティがもっとも好んだプログラムのひとつである。モーツァルトにおける筋肉質の響きを聴いただけでも、このオーケストラが今まで耳にした団体とは異質であり、どこか次元が違うところがあるのを実感した。ムラヴィンスキー／レニングラード・フィル、カラヤン／ベルリン・フィル、ベーム／ウィーン・フィルといったトップクラスの公演もすでに体験していたものの、シカゴ響が全力を傾けた演奏には、どこか非人間的な冷たさのようなものを感じざるにはいられなかったのである。」 <span style="color:#6666ff">（<img src="http://blog-imgs-1-origin.fc2.com/image/e/122.gif"  class="emoji" style="border:none;" /> 『レコード芸術』 特集〈ゲオルク・ショルティ再考～没後１０周年記念〉～「ショルティ／来日公演の衝撃」～エポックは７７年シカゴ響との来日公演、より岡本稔氏による、通巻第６８７号より、音楽之友社、２００７年）</span></p></blockquote><br /><blockquote><p>「ショルティにとっては来日は３度目だったはずだが、シカゴ響とのライヴは、前評判に違わぬどころか、空前絶後の成果を誇り、世界の最先端を走るオーケストラ演奏の醍醐味、凄みをまざまざと体感させてくれた。ことに、６月８日、東京文化会館におけるマーラーの交響曲第５番は、レコードでの演奏がいささかも作り物などではない（当時はショルティの演奏は作られたものとの意見が多かった）、生身の至芸であることを、堂々たる自信と恰幅の豊かさをもって明らかにした瞬間であり、並み居る聴衆は完全に魅了されたのである。」 <span style="color:#6666ff"> （<img src="http://blog-imgs-1-origin.fc2.com/image/e/122.gif"  class="emoji" style="border:none;" /> 『レコード芸術』 「衝撃の来日公演～その記録と記憶」－〈「ここまで凄いのか！」そう聴衆が唸った最先端のオーケストラ芸術〉より諸石幸生氏による、通巻第６６３号、音楽之友社、２００６年）</span> </p></blockquote><br />　<!a href="http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00924e.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00924e.jpg" alt="CD00924e.jpg" border="0" width="320" height="276" /><!/a><br /><br /><br />ショルティはＮＨＫのインタヴューの中でマーラーの音楽とシカゴ交響楽団について次のように答えている（聴き手は目加田頼子アナウンサー）。<br /><br />　<!a href="http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00925b.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00925b.jpg" alt="CD00925b.jpg" border="0" width="320" height="249" /><!/a><br /><br /><span style="color:#3366ff"><img src="http://blog-imgs-1-origin.fc2.com/image/e/289.gif"  class="emoji" style="border:none;" />－マーラーの音楽は日本ではずいぶんと人気がありますが、これはなぜでしょう？</span><br /><blockquote><p>「日本だけではありません。マーラーの音楽は世界中で愛されています。ブームはヨーロッパで最初にはじまりました。それからアメリカに渡り、今は日本。不思議なことにヨーロッパではブームはおさまり、アメリカも同様。でも日本ではますます盛んだ！　私たちは非ロマンティックな生活を送っています。すべてがコンピュータ化され、食べ物から人間の心そのものまでが人口的。こういう社会にロマンはありません。私たちはロマンに飢えているのです。だろからこそ、ブラームス、ブルックナー、マーラーといったロマンチックな音楽に人気があるのだと思います。これらの音楽は私たちの心に訴え、語りかけてくれるのです。」 <span style="color:#6666ff">（<img src="http://blog-imgs-1-origin.fc2.com/image/e/289.gif"  class="emoji" style="border:none;" /> ゲオルク・ショルティ）</span></p></blockquote><br /><br /><span style="color:#0066ff"><img src="http://blog-imgs-1-origin.fc2.com/image/e/289.gif"  class="emoji" style="border:none;" />－マエストロが音楽監督になって、シカゴ響はどのように変わりましたか？</span><br /><blockquote><p>「難しい質問ですが、すべてを挙げれば大袈裟に聞こえ、控えめに言えばそれも変でしょうね。このオーケストラはフリッツ・ライナーが音楽監督をやっていた時代から素晴らしかったのですから。私は、音に対する絶対的なイメージがあって、どこのオーケストラに対してもそれを追求します。音の透明感、バランス、強弱、リズムといったものをとても大切にしていますが、このオーケストラは私のイメージ通りに共鳴してくれるのです。私は音がずれることを嫌います。そういうことを好むオーケストラもありますが、私は明瞭で正確であることを求めます。私たちの関係は、皆、３年もたないだろうと言われてきました。シカゴに３年いたら死んでしまう。ある記者が就任時に私を歓迎する記事を書きました。 <span style="color:#6666ff">〈３年契約したその勇気に感服します！　ここは指揮者の墓場として有名な町だから〉</span>　でも私は今日までもちこたえました。もう墓場も怖くはありません。」<span style="color:#6666ff">（<img src="http://blog-imgs-1-origin.fc2.com/image/e/289.gif"  class="emoji" style="border:none;" /> ゲオルク・ショルティ）</span></p></blockquote><br /><br />この時の公演で関係者を驚かせたのは、各地の公演では事前のリハーサルがなく、ぶっつけ本番で演奏が行われたことだった。７日から２４日までの公演で演奏がないのはわずか３日だけ。その間に各地を移動してまわるハードスケジュールだったために事実上練習が出来ず、音響効果の異なった会場で演奏するのはほとんど冒険に等しかった。しかしリハーサルなしに演奏することはこの楽団にとってそれほど大きな問題ではなかったらしい。<br /><br />　<!a href="http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00924d.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00924d.jpg" alt="CD00924d.jpg" border="0" width="320" height="280" /><!/a><br /><br /><br />東京公演では<span style="color:#339900">チャイコフスキーの《悲愴》交響曲</span>で楽員がその一部を失敗し、あとからショルティに謝罪したしたことが伝えられた。ショルティは<span style="color:#6666ff">「あまり気にしないように」</span>と楽員をやさしく慰めたという。鬼軍曹の風評は単なるウワサに過ぎなかったのだろうか。<br /><br /><blockquote><p>「プロの耳で聴けば分かっても一般の人には気がつかないくらいのところで、非常に演奏のむつかしい部分です。私たちは、日本のオーケストラと同じようにアンビシャス（高い水準を目ざしている）なのです。私は、むつかしい曲を演奏するときは、スマイル（微笑）をしてから指揮に入るよう心掛けています。」　<span style="color:#6666ff">（ゲオルク・ショルティ談）</span> </p></blockquote><br />ショルティはオーケストラを建築にたとえ、指揮者の立場から、各パートの均衡と明確な音の表現を第一に考えているという。<span style="color:#6666ff">「それを実現する秘訣はこれですよ」</span>と自分の両耳を指して笑ったと、当時の新聞記事は伝えている。<br /><br /><br /><br />ショルティ＝シカゴ交響楽団は<span style="color:#339900">１９８６年の来日公演</span>でもマーラー交響曲第５番を演奏し、３月２６日の東京文化会館でのコンサートのもようをＮＨＫが収録してオンエアされていたから、こちらの演奏が記憶に残っている人も多いだろう。このとき、わが国のマーラー指揮者としてお馴染みの金子健志氏がインタヴューに登場する。<br /><br />　<!a href="http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00925a.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00925a.jpg" alt="CD00925a.jpg" border="0" width="320" height="246" /><!/a><br /><br /><blockquote><p>「なんつぅても、ショルティのレコードが完璧ですからね、前回来たときは聴きのがしちゃったんで、生でどれくらいできるのか確かめてみたいですネ。とくにハーゼスがいかにトランペットを完璧に吹くのか楽しみです。それからシルキーな弦も楽しみで、何しろベルリンフィルとトップを争っているオーケストラですから、生で聴いたらどうでしょうか？」 <span style="color:#6666ff"> （<img src="http://blog-imgs-1-origin.fc2.com/image/e/289.gif"  class="emoji" style="border:none;" /> 金子健志氏） </span></p></blockquote><br /><blockquote><p>「一番の見モノはショルティの指揮で、彼は<span style="color:#6666ff">“肘で全部ぶちこわす”</span>ってベルリンで批評されているわけ。ところが、シカゴ響はそういうショルティの奇妙な動作に全然反応を示さないんですね。ショルティがいくら暴れても綺麗なレガートで弾いちゃうんで、そのあたりも確かめてみたいですネ。」 <span style="color:#6666ff">（<img src="http://blog-imgs-1-origin.fc2.com/image/e/289.gif"  class="emoji" style="border:none;" /> 金子健志氏）</span> </p></blockquote><br />　<!a href="http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00925c.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00925c.jpg" alt="CD00925c.jpg" border="0" width="320" height="248" /><!/a><br /><br /><br />ショルティという指揮者は何故か日本ではさっぱり人気がない。来日公演でもショルティを聴きたいからではなく、<span style="color:#339900">シカゴ交響楽団を聴きに来た</span>という人が圧倒的だ。この時の公演を聴きに来た聴衆の中からも次のような声がきかれた。<br /><br /><span style="color:#666699">－「先入観なしでアメリカのビッグ・ファイブのオーケストラが好きで、その中でもシカゴ響は実力的にもナンバー・ワンだ。それを楽しみに聴きに来た。」<br /><br />－「僕は大学のオーケストラでトロンボーンを吹いているので、シカゴ響の金管の醍醐味を存分に味わってみたい。」<br /><br />－「私はとにかくアメリカのオーケストラが大好きでよく聴きに来るが、シカゴ・シンフォーニーはその中でもピカイチで、もっともパワフルなオーケストラであることが聴きに来た最大の理由。もう１つはショルティはあまり好きな指揮者ではないが、年齢から考えると今回が最後だろうということ。そして演目が一番評判の高いマーラーの５番であること！」</span><br /><br /><br />筆者の音楽人生の中で、あまりにも衝撃的だったショルティ＝シカゴ交響楽団の来日公演。３２年前の思い出を中心に語るだけでかなりの紙面を費やしてしまったので、ディスクの方はあらためて後日にゆずることにしたい。<br /><br />　　<!a href="http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00924b.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00924b.jpg" alt="CD00924b.jpg" border="0" width="320" height="230" /><!/a><br /><br /><br /><span style="color:#990000">↓この記事を面白いと思った方はクリックをお願いします♪</span><br /><a href="http://classic.blogmura.com/cdlistening/" target="_blank"><img src="http://classic.blogmura.com/cdlistening/img/cdlistening80_15.gif"width="80"height="15" border="0" alt="にほんブログ村 クラシックブログ クラシックCD鑑賞へ" /></a>　　　<a href="http://blogranking.fc2.com/in.php?id=314919" target="_blank"><img src="http://blogranking.fc2.com/ranking_banner/e_02.gif"style="border:0px;"alt="FC2Blog Ranking" /></a>　　　<a href="http://blog.with2.net/link.php?672660" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-18-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/banner_04.gif" border="0" alt="人気ブログランキングへ" /></a><br /><br /><script type="text/javascript" charset="euc-jp" src="http://blog.with2.net/vote/form.php?sid=672660&id=23672&size=2"></script><br /> ]]>
</content:encoded>
<dc:subject>ショルティ，ゲオルク</dc:subject>
<dc:date>2009-11-10T19:30:00+09:00</dc:date>
<dc:creator>野田爺＠クラシック</dc:creator>
<dc:publisher>FC2-BLOG</dc:publisher>
</item>
<item rdf:about="http://musikfreund.blog64.fc2.com/blog-entry-91.html">
<link>http://musikfreund.blog64.fc2.com/blog-entry-91.html</link>
<title>マタチッチのベートーヴェン/交響曲第3番変ホ長調 作品55「英雄」</title>
<description> ロヴロ・フォン・マタチッチ指揮チェコフィルハーモニー管弦楽団１９５９年３月１５～１７日 プラハ、芸術家の家（ステレオ録音）Supraphon COCO-70659（２００４年３月発売）Ludwig Van Beethoven Symphony No.3 in E-flat major Op.55 &quot;Eroica&quot; [47:22] 1.Allegro con brio  2.Marcia funebre: Adagio assai  3.Scherzo: Allegro vivace  4.Finale: Allegro molto Lovro von Mata&amp;#269;i&amp;#263; ,conductorCzech Philharmonic Orc
 </description>
<content:encoded>
<![CDATA[ ロヴロ・フォン・マタチッチ指揮<br />チェコフィルハーモニー管弦楽団<br />１９５９年３月１５～１７日 プラハ、芸術家の家（ステレオ録音）<br /><!a href="http://blog-imgs-18-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CDROM1.gif" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-18-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CDROM1.gif" alt="CDROM1.gif" border="0" width="32" height="32" /><!/a>Supraphon COCO-70659（２００４年３月発売）<br /><br />Ludwig Van Beethoven Symphony No.3 in E-flat major Op.55 "Eroica" [47:22]<br /> 1.Allegro con brio <br /> 2.Marcia funebre: Adagio assai <br /> 3.Scherzo: Allegro vivace <br /> 4.Finale: Allegro molto <br /><br />Lovro von Mata&#269;i&#263; ,conductor<br />Czech Philharmonic Orchestra<br />Recording: 1959.3.15-17 Rudolfinum, Praha (Stereo)<br />Producers: Miloslav Kulhan<br />Engineer: Miloslav Kulhan, Ji&#345;i O&#269;enasek, Havli&#269;ek<br /><hr size="1" /><br />演奏<span style="color:#990000">★★★★★</span>　録音<span style="color:#990000">★★★★</span><span style="color:#ff3300">☆</span>　　　　　［評価<span style="color:#990000">★</span>が２点、<span style="color:#ff3300">☆</span>が１点の１０点満点］<br /><hr size="1" /><br />お気に入りのＣＤや海外のライブ録音を気ままに紹介する Musikfreund（ムジークフロイント）。本日は、マタチッチ指揮、チェコフィルの演奏で<span style="color:#339900">ベートーヴェンの交響曲第３番「英雄」（エロイカ）</span>を聴く。<br /><br />　<!a href="http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00910.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00910.jpg" alt="CD00910.jpg" border="0" width="222" height="220" /><!/a>　　　　<a href="http://click.linksynergy.com/fs-bin/click?id=sQzUt5PW8iQ&offerid=131139.610652355&type=10&subid=" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-18-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/Z1_HMV.gif" alt="このCDをHMVで購入する" border="0" /></a><img alt="icon" width="1" height="1" src="http://ad.linksynergy.com/fs-bin/show?id=sQzUt5PW8iQ&bids=131139.610652355&type=10&subid=">　　　　<a href="http://www.amazon.co.jp/gp/product/B00018H05E?ie=UTF8&tag=musikfreund-22&linkCode=as2&camp=247&creative=1211&creativeASIN=B00018H05E" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-18-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/z1_amazon.gif"alt="このCDをamazonで購入する" border="0" /></a><img src="http://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=musikfreund-22&l=as2&o=9&a=B00018H05E" width="1" height="1" border="0" alt="" style="border:none !important; margin:0px !important;" /><br /><br /><br />マタチッチといえば、サヴァリッシュ、スイットナー、ホルスト・シュタイン、ブロムシュテットとならんでＮ響の名誉指揮者としてわが国ではお馴染みの指揮者の１人である。<br /><br />筆者が学生の頃は土曜日の午後に学校から帰ると、大河ドラマのあとに<span style="color:#339900">「ＮＨＫシンフォニーホール」</span> （現在の「Ｎ響アワー」に相当する番組）の再放送があって、これらの指揮者が入れ替わり立ち替わり、出来たばかりのＮＨＫホールの指揮台に登場していた。いまから考えるとおよそ信じられぬ錚々たる顔ぶれであった。<br /><br />マタチッチが最後に来日した１９８４年の<span style="color:#339900">Ｎ響定期公演（第９２６回）</span>を、筆者は東京・渋谷のＮＨＫホールで聴くことが出来た。マタチッチ作の「対決の交響曲」とベートーヴェンの交響曲第２番というプログラムだったが、歩行すらおぼつかない８５歳の巨匠はコンサートマスターの助けを借りながら舞台によちよちと登場し、最後の名演奏をやってのけた。これをやさしく見守るように聴き入る聴衆の暖かな雰囲気がとても印象的なラスト・コンサートだった。<br /><br /><br /><blockquote><p>「これまでに体験した演奏会の中でももっとも感動的だったものは、１９８４年３月、老匠マタチッチを迎えてのＮＨＫ交響楽団定期演奏会である。象のような巨躯のマタチッチがステージに現れると、ステージがサーッと明るくなった。後光が射していたのだ。タクトを持たないマタチッチの指揮ぶりは、アシカが前ヒレを振るような不器用なものであったが、フォルテからフォルティシモへ到るとオケは巨大なエネルギー体と化して爆発した。演奏しながら〈涙が溢れて楽譜が読めなかった〉と語る楽員も一人や二人ではなかったという。」 <span style="color:#6666ff">（<img src="http://blog-imgs-1-origin.fc2.com/image/e/122.gif"  class="emoji" style="border:none;" />『クラシックＣＤの名盤・演奏家編』　より福島章恭氏による、文藝春秋、２００８年）</span></p></blockquote><br /><blockquote><p>「もう指揮棒を持てないほど衰えていましたが、立っているだけで彼の音楽が伝わってきて、演奏が終わった時、涙でかすんで前が見えませんでした。」 <span style="color:#6666ff">（<img src="http://blog-imgs-1-origin.fc2.com/image/e/122.gif"  class="emoji" style="border:none;" /> Ｎ響の“岸辺シロー”ことティンパニ奏者・百瀬和紀氏の談～『伝説のクラシックライヴ』より近藤憲一著 「２０世紀に来日した巨匠」　より、ＴＯＫＹＯ　ＦＭ出版、２００５年）</span></p></blockquote><br /><blockquote><p>「芸術家は舞台に出てくれば、その真価は一目瞭然だ。それが分からなかったヨーロッパ人の目は節穴か？　マタチッチが東京文化会館とＮＨＫホールで聴かせてくれたハイドン、ベートーヴェン、そしてとりわけブルックナーとワーグナーの名演の数々は、ぼくの一生の宝である。そのスケールの大きさ、その豪快さ、その生々しさ、その内容の深さ、胸をわくわくさせるような人間的な魅力は、疑いもなくベームのライヴを超えていた。彼はＮ響の名誉指揮者だった。なんと幸せな一時期であったことか！」 <span style="color:#6666ff">（<img src="http://blog-imgs-1-origin.fc2.com/image/e/122.gif"  class="emoji" style="border:none;" /> 『クラシックＣＤの名盤・演奏家編』　より宇野功芳氏による、文藝春秋、２００８年）</span></p></blockquote><br />　　<!a href="http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00917c.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00917c.jpg" alt="CD00917c.jpg" border="0" width="355" height="158" /><!/a><br /><br /><br /><span style="color:#0066ff">ロヴロ・フォン・マタチッチ</span>は、１８９９年クロアチア（旧ユーゴスラヴィア）生まれの指揮者で、ウィーン少年合唱団で歌ったこともある経歴はホルスト・シュタインとよく似ている。１９６５年が初来日で、この時以降、Ｎ響は巨匠を定期公演に招き、 <span style="color:#339900">「名誉指揮者」</span>の称号を贈った。マタチッチが最も愛したオーケストラがＮ響であり、マタチッチを最も温かく迎え入れたのが日本の聴衆であったといわれる。Ｎ響の人はマタチッチのことを<span style="color:#339900">「マタちゃん」</span>という愛称で呼んでいた。<br /><br />　　<!a href="http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00912.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00912.jpg" alt="CD00912.jpg" border="0" width="209" height="300" /><!/a>　Lovro von Mata&#269;i&#263; (1899- 1985)<br />　<br /><blockquote><p>マタチッチの指揮で演奏したＮ響のヴェテラン奏者に話を聞いたが、「最初は、練習場に入ってきたマタチッチの熊のような風貌に驚き、次に、彼の棒から導かれて演奏している私たち自身が、その音楽の迫力と豊かさに感動した。」などと、それがまるで昨日のことだったように、興奮気味に語ってくれた。　<span style="color:#6666ff">（<img src="http://blog-imgs-1-origin.fc2.com/image/e/122.gif"  class="emoji" style="border:none;" /> 『伝説のクラシックライヴ』より 近藤憲一著「２０世紀に来日した巨匠」、ＴＯＫＹＯ　ＦＭ出版、２００５年）</span> </p></blockquote><br /><blockquote><p>「大男が子供のようにクリクリした目をしていた。彼は練習で棒を持たないで振ることがよくあり、そんな時、両方の手の中からあふれるようなメッセージが伝わってくるのがとても素敵だった。」　<span style="color:#6666ff">（<img src="http://blog-imgs-1-origin.fc2.com/image/e/122.gif"  class="emoji" style="border:none;" /> 元Ｎ響・第２ヴァイオリン・フォアシュピーラー川上朋子氏の談～同上）</span> </p></blockquote><br /><blockquote><p>「マタチッチは巨像のような体格をし、彼と握手をした人はその野球のグローブのような大きな手に驚いたという。彼の棒は決してスマートではなかったが、音楽のスケールは大きく、呼吸の深い自然な流れを持っていた。また、大きな声の持ち主であった彼が〈フォルテ！〉と叫ぶと、オーケストラから信じられない大音量が出てきたと言われる。しかし、指揮台を下りたマタチッチは非常に素朴で暖かい人柄だった。ある日の本番直前、ある楽団員はマタチッチが楽屋で真剣に〈今日の演奏がうまくいきますように〉とお祈りを捧げる姿を見かけ、その純粋で真摯な彼の態度に感激したと伝えられる。」 <span style="color:#6666ff">（<img src="http://blog-imgs-1-origin.fc2.com/image/e/122.gif"  class="emoji" style="border:none;" /> 平林直哉氏による「ライナー・ノート」より、コロムビア・ミュージック、２００４年） </span></p></blockquote><br /><br />マタチッチはその実力に比してレコードの数はきわめて少ない。ベートーヴェンの交響曲は第２、６、７、９番のライヴ録音がＣＤ化されてはいるが、<span style="color:#339900">セッション録音</span>されたのはこのチェコフィルとの第３番だけというから、これはきわめて貴重な録音といえる。<br /><br />ちょうど６０歳になったマタチッチの指揮は、男性的な力強い骨太の演奏で、この長大な交響曲をぐいぐいと一直線に押しまくる。まさしく<span style="color:#339900">古武士のような趣を持つ辛口の「エロイカ」</span>といえるが、キビキビとしたストレートな演奏がじつに小気味よく、デフォルメはいっさいなく、音楽の造形は微動だにしない。そしてそこから奥行きにとんだ深い味わいが滲み出てくるのがこの演奏のすばらしいところだ。<br /><br />驚くべきはチェコフィルの<span style="color:#339900">「ぴしり」</span>と整ったアンサンブルの見事さで、全盛期であった<span style="color:#339900">アンチェル時代</span>のこの楽団の持つすばらしい技量と音色がチェコのレーベルによってもののみごとに捉えられている。とくに<span style="color:#339900">「燻し銀」</span>と讃えられた管楽器セクションのくすんだ色合いと弦楽セクションのしぶくてコクのある響きが特筆もので、マタチッチの構えの大きな音楽づくりをさらに味わい豊かなものにしている。<br />　　<!a href="http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00911.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00911.jpg" alt="CD00911.jpg" border="0" width="480" height="75" /><!/a><br /><br /><br /><blockquote><p>「オーケストラを強固にコントロールした演奏で、スケールの大きさと清潔感が同居してマタチッチらしい音楽をつくっている。随所にはっとさせられるみごとな表情があるが、全体の悠揚とした流れの統一感に乏しいのが弱点といえる。」 <span style="color:#6666ff">（<img src="http://blog-imgs-1-origin.fc2.com/image/e/122.gif"  class="emoji" style="border:none;" /> 小石忠男氏による月評、『レコード芸術』 通巻第３５５号より、音楽之友社、１９８０年）</span></p></blockquote><br /><blockquote><p>「冒頭から凄いほどの気迫をもった快演で、アンサンブルも凝集力が強い。スケールが大きく、しかも音楽的に純粋である。したがって随所にみごとな表情があり、とくに第１楽章はすばらしいが、スケルツォは多少意気込み過ぎたところもあり、葬送行進曲はさらに悠揚とした流れが欲しい」 <span style="color:#6666ff">（<img src="http://blog-imgs-1-origin.fc2.com/image/e/122.gif"  class="emoji" style="border:none;" /> 小石忠男氏による月評、『レコード芸術』 通巻第４２５号より、音楽之友社、１９８６年） </span></p></blockquote><br /><blockquote><p>「独特のたくましい発想をもつが、オケの反応がもうひとつである。」 <span style="color:#6666ff">（<img src="http://blog-imgs-1-origin.fc2.com/image/e/122.gif"  class="emoji" style="border:none;" /> 吉井亜彦著『名曲鑑定百科・交響曲編』、春秋社、１９９７年）</span></p></blockquote><br /><blockquote><p>「１９５９年の録音。２０余年も経っているためやや丸みを感じさせ、鮮度が低下していることは否めない。しかし、混濁したり、きめが粗くなるところはなく、しかも帯域バランスがよく、響きも豊かに収録されているため、むしろ耳あたりがやわらかく、聴きやすい。<span style="color:#6666ff">（<img src="http://blog-imgs-1-origin.fc2.com/image/e/122.gif"  class="emoji" style="border:none;" /> 三井啓氏による録音評、『レコード芸術』 通巻第４２５号より、音楽之友社、１９８６年）</span> </p></blockquote><br /><blockquote><p>「１９５９年、プラハで録音。Ｆ、Ｄレンジはあまり伸びないが、ステレオ初期にすでにこれだけ整った水準に達していたことを示す１枚。そのせいか、今聴いてさして不満は感じられない。」 <span style="color:#6666ff">（<img src="http://blog-imgs-1-origin.fc2.com/image/e/122.gif"  class="emoji" style="border:none;" /> 相沢昭八郎氏による録音評、『レコード芸術』 通巻第４５９号より、音楽之友社、１９８８年）</span> </p></blockquote><br />録音会場はプラハにあるチェコフィルの本拠<span style="color:#339900">「芸術家の家（ルドルフィヌム）」 </span>内にある<span style="color:#339900">ドヴォルザーク・ホール</span>。この建物はオーストリア王位継承者であった<span style="color:#339900">ルドルフ皇太子</span>にちなんで、<span style="color:#339900"> 「ルドルフィニム」（ルドルフ会館、Rudolfinum）</span>と命名され、最近ではこの名で呼ばれることが多い。<br /><br />　　<!a href="http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00915.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00915.jpg" alt="CD00915.jpg" border="0" width="355" height="204" /><!/a><br /><br /><br /><br /><img src="http://blog-imgs-1-origin.fc2.com/image/e/180.gif"  class="emoji" style="border:none;" /> <span style="color:#0066ff"><u>第１楽章、アレグロ・コン・ブリオ、４分の３拍子</u></span><br /><br />これはまさしく一風格をもった演奏である。冒頭の２発の和音の<span style="color:#339900">「びしっ！」</span>とした力強い打撃からして耳を惹きつけられてしまう。強靱ともいえるチェコフィルの引き締まったアンサンブルの見事さには仰天するが、「チェコフィルってこんなにすごいオーケストラだったかしら」と思わせてしまうほど精密かつ豪快な演奏をやってのけている。<br /><br /><span style="color:#339900">呈示部</span>はこのオーケストラをぐいぐいと躊躇なくドライヴするマタチッチの武骨で力強い歩みが印象的だ。<span style="color:#339900">第２主題１２８小節</span>の和音打撃の連続を<span style="color:#339900">「これでもか」</span>と力強く打ち込んでくるところは聴いていて思わず鳥肌が立ってくる。１６音符の刻みから４分音符に移行するフォルテを大きく打ち込んだあと、２ｎｄヴァイオリンとヴィオラの後打ち<span style="color:#339900">（１４４～１４５小節）</span>の弓が弦を<span style="color:#339900">「ガリッ」</span>とひっかくように荒っぽい音をたてているところも気合い充分だ。<br /><br /><span style="color:#339900">展開部</span>は中低弦の<span style="color:#339900">第１主題</span>にのったヴァイオリンの<span style="color:#339900">変奏主題（１８６小節～）</span>が聴きものだ。１ｓｔと２ｎｄが交互に節分音型をはさんで弾く激しい動きのパッセージを、巨匠は悠揚たる一筆書きの気風をもって料理する。<span style="color:#339900">第１主題の対位旋律</span>の低音弦をたっぷりと盛りつけた音楽はまことに気宇壮大だ。ここは弦楽器奏者をこまねずみのようにせわしく働かせ、せっせと音を拾うだけの凡愚な演奏も多く見られるが、巨匠の音楽は峻厳さと確信にみちた表情にいちぶの隙もなく、堂々たる風格すら感じさせてくれる。<br /><br />　　<!a href="http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00913.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00913.jpg" alt="CD00913.jpg" border="0" width="225" height="220" /><!/a><br /><br /><br />大きな聴きどころは主題が大規模に展開する<span style="color:#339900">２４８小節（練習番号Ｈ）。</span>弦のスフォルツァンドを執拗に激しく打ち込んで、トランペットがフォルテの２分音符のアタックを力強く４度放つところはゾクゾクしてしまう。<span style="color:#339900">第１主題</span>が再現されたあとに現れる<span style="color:#339900">ティンパニのトレモロ（３１９小節）</span>のすさまじい強打にも腰を抜かしてしまう。攻撃的なほどに力感を全面に出して聴き手の興奮を誘っているが、造形はぴたりと決まって揺るぎがない。<br /><br />ホルンのシグナルに続いて力強く<span style="color:#339900">再現部</span>に突入すると、燻し銀の<span style="color:#339900">ホルンのメロディー（４０８小節）、</span>腰の強い<span style="color:#339900">トランペットのメロディー（４４０小節）</span>など、チェコフィルのブラスが存分にその魅力を発揮する。オンマイク気味に収録している木管楽器のくすんだような独特の音色も巨匠の音楽に彩りを添えている。<br /><br />要所で決めるアクセントを強くいれた弦の大胆なフレージングがスケールの大きさを物語っているが、<span style="color:#339900">終止部</span>に向かって次第に足取りは歯切れ良くなり、アンサンブルがより緻密になって、ピッチに精度が増してくるところがこの演奏のすごいところだ。決して弾きとばしたような荒さがなく、弦の刻み目ひとつひとつがキメ細かくコントロールされている。ここでも<span style="color:#339900">ティンパニのすさまじい強打（５２０小節）、</span><span style="color:#339900">剛毅な打撃和音の連続（５３１小節）</span>など、決めどころの豪快さが聴き手にスリリングな興奮をあたえている。<br /><br />　　<!a href="http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00916.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00916.jpg" alt="CD00916.jpg" border="0" width="440" height="215" /><!/a><br /><br /><br /><span style="color:#339900">コーダ</span>は<span style="color:#339900">６５５小節のトランペットの主題</span>につきるといってよい。オリジナルではトランペットが<span style="color:#339900">６５７小節３拍目</span>から主題を外れて低い音を奏するために、主題の所在が不明瞭になってしまうが、ここでは慣例にしたがってトランペットにそのまま主旋律を吹かせているためにじつに気持ちがよい。燦然と輝くストレートな音色がじつにさわやかである。結びの和音もガッチリと打ち込まれている。これはまさに巨木のごときたたずまいで峻立する筋金入りの「エロイカ」といってよい。<br /><br /><br /><br /><img src="http://blog-imgs-1-origin.fc2.com/image/e/181.gif"  class="emoji" style="border:none;" /> <span style="color:#0066ff"><u>第２楽章 「葬送行進曲」、アダージオ・アッサイ、４分の２拍子</u></span><br /><br /><span style="color:#339900">オーボエの主題</span>のひなびた音色がどこなく哀愁をさそっている。古色蒼然とした木管楽器は味わい深く、厚い弦の伴奏をつけた葬送のしらべが表情濃く歌われている。<span style="color:#339900">第２主題</span>も重厚だ。うらさびしいオーボエの主題に、弦の３連符のウラ打ちがすさまじいクレッシェンドによって盛りつけられている。<br /><br /><span style="color:#339900">ハ長調に転調するマジョーレの中間部</span>はオーボエ奏者の独壇場だ。<span style="color:#339900">第２主題の転回形の主題</span>を哀調をこめてつむいでゆき、葬送の音楽をたくみにリードする。圧巻は<span style="color:#339900">センプレ・ピウ・フォルテの総奏</span>だ！　トランペット、打楽器のフォルティシモを落雷のごとく爆発させて豪快に決めるところは巨匠の本領発揮である。<br /><br />　　<!a href="http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00914.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00914.jpg" alt="CD00914.jpg" border="0" width="320" height="203" /><!/a><br /><br /><br />「エロイカ」の最大の聴きどころはハ短調にもどる<span style="color:#339900">ミノーレのソット・ボーチェ</span>。ヴァイオリンにすすり泣くようにヴィブラートをかけて<span style="color:#339900">クライマックスたる「三重フーガ」</span>へと突入するところは体の震えがとまらない。第２ヴァイオリンから開始する<span style="color:#339900">弦楽の反行形主題（第２主題）</span>をえぐるように重ね合わせて慟哭の表情をたくみに彫り込んでゆく。<span style="color:#339900">１６音符の対立主題</span>の１音１音が意味深く胸に迫ってくる。<span style="color:#339900">ホルンのスフォルツァンド</span>をことさら強調し、肉厚の弦楽群がとてつもない緊迫感を生んでいる。<br /><br />豪快に轟かせるバス<span style="color:#339900">（１５８小節）</span> 、息長く吹きはなつトランペット、雄大にかまえる<span style="color:#339900">再現部のチェロの第２テーマ</span>など、巨匠の剛毅木訥な表情はいたるところに聴いて取れるが、重心の低い響きによって音楽に深みとコクをあたえている。美麗に響かせようとする作為は微塵もなく、素朴な味わいの中にも音楽は１本ぴんと張りつめた緊張感によって貫かれている。 <span style="color:#339900">「ザラリ」としたバスの響き</span>を生々しく効かせたエンディングも印象的だ。<br /><br /><br /><br /><img src="http://blog-imgs-1-origin.fc2.com/image/e/182.gif"  class="emoji" style="border:none;" /> <span style="color:#0066ff"><u>第３楽章 「スケルツォ」、アレグロ・ヴィヴァーチェ、４分の３拍子</u></span><br /><br />チェコフィルのアンサンブルの見事さを如実に見せつけたのは<span style="color:#339900">スケルツォ</span>だ。スピッカートの４分音符１つ１つの弾ませ方までをピタリとそろえた緻密なアンサンブルには、ＣＤを指揮するのもつい忘れて聴き惚れてしまうほどだ。<br /><br /><span style="color:#339900">練習番号Ａの総奏</span>は剛毅で力強い。決して弾ませ過ぎずにガッチリと突き進むところが巨匠ならではの足取りといえる。弦と木管の巧妙なかけ合い<span style="color:#339900">（練習番号Ｂ）</span>もゾクゾクさせてくれるが、とくに中低弦のガッシリとした刻みは巨象の足取りさながらで、バスの弓をバチバチと指板にはげしくぶつけながら勇猛果敢に<span style="color:#339900">トリオ</span>へ突入するところは聴き手の興奮をさそう。<br /><br />　<!a href="http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00918.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00918.jpg" alt="CD00918.jpg" border="0" width="320" height="213" /><!/a><br /><br /><br /><span style="color:#339900">トリオ（中間部）</span>は厚味のあるホルンの三重奏が大きな聴きどころだ。「ほこほこ」と根太い音でたっぷりと鳴り響く、味わい深いホルンの音色がたいそう魅力的で、この楽団が当時そなえていた大地に根をはったような<span style="color:#339900">燻し銀の味わい</span>を心ゆくまで堪能させてくれる。<br /><br />スケルツォの繰り返しはスピッカートが厚味を増し、音楽にさらに歯切れ良さが際立ってくる。作曲者の意表をついた<span style="color:#339900">「アッラ・ブレーヴェ」（突如２分の２拍子に変わるところ）</span>もジタバタせずに豪快に決めている。オーケストラを思う存分に走らせながらも、要所で手綱を引き締める硬軟織り交ぜた巨匠の奥義には快哉を叫びたくなってしまう。この楽章はチェコフィルの機動力の凄さに尽きるといってよい。<br /><br /><br /><br /><img src="http://blog-imgs-1-origin.fc2.com/image/e/183.gif"  class="emoji" style="border:none;" /> <span style="color:#0066ff"><u>第４楽章 「フィナーレ」、アレグロ・モルト、４分の２拍子</u></span><br /><br />装飾音から「ぐい」と力強く、ハネあげるように弓をいっぱい入れて弾ききる勇渾な開始に驚かされてしまう。ところがどうしたことか、弦のピッツィカートが木管と呼応するところ<span style="color:#339900">（２０～２７小節）をアルコ（弓）で弾かせている</span>のだ。これが慣例的な変更ではないことは<span style="color:#666699">金子健志氏（指揮者、音楽評論家）</span>が指摘している（金子氏はマタチッチの「エロイカ」をベスト２に推している）。<br /><br /><blockquote><p>「ピッツィカートで奏される１９小節～の弦の４分音符を、１２小節～の８分音符と区別しようとマタチッチ＝チェコフィルのように弓で弾かせる演奏もあるが、これは資料的な裏付けは発見できなかった。」<span style="color:#6666ff">　（<img src="http://blog-imgs-1-origin.fc2.com/image/e/122.gif"  class="emoji" style="border:none;" /> 『レコード芸術』 通巻第６７２号～金子健志氏による「究極のオーケストラ超名曲徹底解剖（３）」より、音楽之友社、２００６年）</span></p></blockquote><br /><br /><span style="color:#339900">４５小節</span>からいよいよお楽しみの変奏となるが、ヴィオラで小刻みに開始する<span style="color:#339900">第２変奏</span>と、これに応える<span style="color:#339900">第３変奏</span>において、すさまじいクレッシェンドによって勇渾な英雄像を太い筆遣いでたっぷりと歌い上げている。第３変奏の総奏では躍動感が漲り、音楽は心地よい。<br /><br /><span style="color:#339900">フーガ変奏Ⅰ</span>はチェコフィルの弦楽奏者の腕の見せ所だ。ここでは緻密な弦楽のワザを心ゆくまで堪能させてくれる。<span style="color:#339900">第４変奏</span>のフルートと１ｓｔヴァイオリンが見事にかけ合う場面もまた、この楽団の腕の確かさを見せつけくれる。<br /><br />　　<!a href="http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00919.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00919.jpg" alt="CD00919.jpg" border="0" width="320" height="212" /><!/a><br /><br /><br /><span style="color:#339900">第４変奏</span>の終わりに３連符のリズムに変わるところの弦の豪快な切り返し<span style="color:#339900">（１９８小節）</span>や、<span style="color:#339900">第５変奏</span>の勇渾なテーマをダイナミックに歌い上げるところは巨匠の眼差しが熱い。急速な<span style="color:#339900">フーガ変奏Ⅱ</span>をホルンの張りのあるメロディ<span style="color:#339900">（３０３小節）</span>が加わると、火がついたかのように早いテンポで一気に駆け抜け、ひた押しに押して突き進む。旋律線の雄大な歌わせ方とたっぷりと盛りつけるバスの対声部が印象的だ。<br /><br /><span style="color:#339900">ポコ・アンダンテ</span>で音楽が静まると、しみじみと奏でるオーボエのひなびた音色が夕映えのように心にしみてくる。そして凱歌のごとく声を張り上げて滔々と歌うホルンのメロディ<span style="color:#339900">（３８１小節）</span>が感興を大きく高め、ここにアクセントを容赦なく打ちこむ巨匠の豪快な棒さばきが大きな感動をよぶ。<br /><br />　　<!a href="http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00917d.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00917d.jpg" alt="CD00917d.jpg" border="0" width="320" height="167" /><!/a><br /><br /><br /><span style="color:#339900">終止部</span>は低音弦の大きな刻み打ちによって、しだいに力を増しながら、<span style="color:#339900">プレスト</span>は舞曲風に変奏された主題を引き締まったリズムで<span style="color:#339900">「ぶきぶき・ぶきぶき」</span>と１６分音符を正確無比に打ちはなつブラスの饗宴にとどめをさす。突き抜けるように打つトランペット、張りのあるホルンがキレのあるリズムによって豪快にフィニッシュを決めるのである。<br />　　<br /><br />これは巨匠マタチッチが、木訥ともいえる実直なスタイルで取り組んだ古武士のような辛口の名演奏といってよく、録音はやや古くなったが、チェコフィル全盛期の燻し銀の響きによって懐深い味わいと堂々たる風格を感じさせる筋金入りの「エロイカ」で、珍重されてしかるべきお宝の１枚である。<br /><br /><br /><!a href="http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00917b.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00917b.jpg" alt="CD00917b.jpg" border="0" width="355" height="157" /><!/a><br /><br /><br /><span style="color:#990000">↓この記事を面白いと思った方はクリックをお願いします♪</span><br /><a href="http://classic.blogmura.com/cdlistening/" target="_blank"><img src="http://classic.blogmura.com/cdlistening/img/cdlistening80_15.gif"width="80"height="15" border="0" alt="にほんブログ村 クラシックブログ クラシックCD鑑賞へ" /></a>　　　<a href="http://blogranking.fc2.com/in.php?id=314919" target="_blank"><img src="http://blogranking.fc2.com/ranking_banner/e_02.gif"style="border:0px;"alt="FC2Blog Ranking" /></a>　　　<a href="http://blog.with2.net/link.php?672660" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-18-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/banner_04.gif" border="0" alt="人気ブログランキングへ" /></a><br /><br /><script type="text/javascript" charset="euc-jp" src="http://blog.with2.net/vote/form.php?sid=672660&id=23329&size=2"></script><br /> ]]>
</content:encoded>
<dc:subject>マタチッチ，ロヴロ・フォン</dc:subject>
<dc:date>2009-11-04T19:30:00+09:00</dc:date>
<dc:creator>野田爺＠クラシック</dc:creator>
<dc:publisher>FC2-BLOG</dc:publisher>
</item>
<item rdf:about="http://musikfreund.blog64.fc2.com/blog-entry-90.html">
<link>http://musikfreund.blog64.fc2.com/blog-entry-90.html</link>
<title>ジュリーニのドヴォルザーク/交響曲第9番ホ短調 作品95「新世界から」</title>
<description> カルロ・マリア・ジュリーニ指揮シカゴ交響楽団１９７７年４月２、６日 シカゴ（ステレオ録音）Deutsche Grammphon 423 882-2 （１９７８年６月新譜発売）Dvorak Symphonie Nr.9 e-moll Op.95 &quot;Aus der Neuen Welt&quot; [44:48]　1.Adagio - Allegro molto　2.Largo　3.Scherzo (Molto vivace)　4.Allegro con fuocoCarlo Maria Jiulini ,conductorChicago Symphony OrchestraRecording: 1977.4.2,6 Chicago (Stereo)Recording Produce
 </description>
<content:encoded>
<![CDATA[ カルロ・マリア・ジュリーニ指揮<br />シカゴ交響楽団<br />１９７７年４月２、６日 シカゴ（ステレオ録音）<br /><!a href="http://blog-imgs-18-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CDROM1.gif" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-18-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CDROM1.gif" alt="CDROM1.gif" border="0" width="32" height="32" /><!/a>Deutsche Grammphon 423 882-2 （１９７８年６月新譜発売）<br /><br />Dvorak Symphonie Nr.9 e-moll Op.95 "Aus der Neuen Welt" [44:48]<br />　1.Adagio - Allegro molto<br />　2.Largo<br />　3.Scherzo (Molto vivace)<br />　4.Allegro con fuoco<br /><br />Carlo Maria Jiulini ,conductor<br />Chicago Symphony Orchestra<br />Recording: 1977.4.2,6 Chicago (Stereo)<br />Recording Producer: G&uuml;nther Breest<br />Director: Cord Garben<br />Recording Engineer: Hans-Peter Schweikman<br /><hr size="1" /><br />演奏<span style="color:#990000">★★★★★</span>　録音<span style="color:#990000">★★★★</span><span style="color:#ff3300">☆</span>　　　　　［評価<span style="color:#990000">★</span>が２点、<span style="color:#ff3300">☆</span>が１点の１０点満点］<br /><hr size="1" /><br />お気に入りのＣＤや海外のライブ録音を気ままに紹介する Musikfreund（ムジークフロイント）。本日は、イタリアの名指揮者カルロ・マリア・ジュリーニの指揮、シカゴ交響楽団の演奏で<span style="color:#339900">ドヴォルザーク</span>の<span style="color:#339900">交響曲第９番「新世界から」</span>を聴く。<br /><br />　<!a href="http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00900.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00900.jpg" alt="CD00900.jpg" border="0" width="228" height="220" /><!/a>　　　　<a href="http://click.linksynergy.com/fs-bin/click?id=sQzUt5PW8iQ&offerid=131139.610492077&type=10&subid=" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-18-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/Z1_HMV.gif" alt="このCDをHMVで購入する" border="0" /></a><img alt="icon" width="1" height="1" src="http://ad.linksynergy.com/fs-bin/show?id=sQzUt5PW8iQ&bids=131139.610492077&type=10&subid=">　　　　<a href="http://www.amazon.co.jp/gp/product/B000001GA0?ie=UTF8&tag=musikfreund-22&linkCode=as2&camp=247&creative=1211&creativeASIN=B000001GA0" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-18-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/z1_amazon.gif"alt="このCDをamazonで購入する" border="0" /></a><img src="http://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=musikfreund-22&l=as2&o=9&a=B000001GA0" width="1" height="1" border="0" alt="" style="border:none !important; margin:0px !important;" /><br /><br /><br />孤高の名指揮者<span style="color:#0066ff">カルロ・マリア・ジュリーニ</span>は７０年代に首席客演指揮者の任にあった<span style="color:#339900">シカゴ交響楽団</span>との録音にすばらしい演奏が集中している。とくに作曲者の最後の交響曲である<span style="color:#339900">「第９シリーズ」</span>は究極の名演奏として知られ、マーラー、ブルックナー、シューベルトと並んで絶賛されているのがこの<span style="color:#339900">ドヴォルザークの〈新世界〉</span>である。<br /><br />ジュリーニ＝シカゴ響による〈新世界〉のＣＤは、１９９７年に〈未完成〉とのカップリングで発売されて以降は再発売されていないために国内盤では入手が難しい。２００４年発売の〈ユニバーサル・クラシック文庫・ジュリーニ編〉、２００５年発売の〈カルロ・マリア・ジュリーニの芸術〉には含まれなかった。<br /><br />〈未完成〉はもともとシューベルト〈悲劇的〉といっしょに１枚のＬＰとして発売されたものであるが、ＣＤになって「ドボ８＋悲劇的」、「新世界＋未完成」というように、シューベルトがドヴォルザークのお見合い相手になってしまった。〈未完成〉は独盤ＣＤではマーラーの第９番とカップリングされているが、国内ＣＤにはカップリングされなかったというのも腑に落ちない。<br /><br />　　<!a href="http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00901.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00901.jpg" alt="CD00901.jpg" border="0" width="300" height="227" /><!/a><br /><br />筆者の入手したのはグラモフォンのGalleriaという輸入盤。一見してさえないジャケットではあるが、これは Tully Crookというイギリスの画家の描いた<span style="color:#339900">「マンハッタン・サンセット」</span>という作品で、「新世界」にぴったりのものだ。しかし筆者はやはり、あの格好のいいハットをかぶってダンディにきめたジュリーニのＬＰのジャケットが懐かしい。ジュリーニの映画俳優のようなダンディぶりは、じつはすべて奥さんの<span style="color:#339900">マルチェッラ</span>の演出によるものとされ、筆者も見習いたいものである。<br /><br /><blockquote><p>「ジュリーニーは実際面では“本当にどうしようもない人”で、ルックスがいいのは、マルチェッラが彼の求めに応じて、テイラーにすばらしいカットの服を注文してくれるからである。」 <span style="color:#6666ff">（<img src="http://blog-imgs-1-origin.fc2.com/image/e/122.gif"  class="emoji" style="border:none;" /> ヘレナ・マテオプーロス著『マエストロ』、石原俊訳、アルファベータ、２００６年）</span> </p></blockquote><br /><br />この〈新世界〉は<span style="color:#339900">ドイツ・グラモフォンのシカゴ響シリーズの第４弾</span>として１９７８年６月にＬＰが発売されて推薦盤になったものである。すでに前年に発売されたマーラーの交響曲第９番が<span style="color:#339900">レコードアカデミー賞（交響曲部門）</span>を受賞し、続いて発売された〈グレイト〉も名演奏と絶賛され、まさにジュリーニが急速に巨匠として飛躍し、大きくクローズアップされた時であったといってよい。録音時期は発売の順序とは逆に〈グレイト〉の数日前にあたり、シカゴ交響楽団がはじめて来日した時の少し前ということになる。<br /><br />　<!a href="http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00902.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00902.jpg" alt="CD00902.jpg" border="0" width="224" height="220" /><!/a>　MG1112　（1978年6月発売）<br /><br /><br />プロデューサーはこれまでと同じギュンター・プレーストで、コード・ガーベン（ディレクター）とハンス・ペーター・シュヴァイクマン（エンジニア）のコンビによる録音は、クラウス・シャイベの輪郭のくっきりした克明な録音と比べ、地味ながらも<span style="color:#339900">ドイツ・グララモフォン</span>の伝統的な重厚なサウンドを生々しく伝えてくれる。<br /><br /><blockquote><p>「１９７７年の４月にシカゴで行われた新録音盤である。全体にややドライな音づくりであるが、これはオーケストラ自体の音の個性であるかも知れない。弦楽器がやや近めで、はっきりとらえられ、全管楽器の音なども力強い。スケール感は感じられないが、音そのものは歯切れも良いし、それぞれの楽器の分離もよい。また、ダイナミック・レンジは広くとれており、強音時の音のくずれも少ない。」<span style="color:#6666ff"> （<img src="http://blog-imgs-1-origin.fc2.com/image/e/122.gif"  class="emoji" style="border:none;" /> 『レコード芸術』 通巻第３３４号、若林駿介氏による録音評、音楽之友社、１９７８年）</span> </p></blockquote><br /><blockquote><p>「１９７７年４月、シカゴで録音。左右、奥行き方向とも広がりが大きく、分離も明瞭。低弦群が厚いどっしりとしたバランスでとられ、高音楽器も澄明でつややか。豊かな色彩に富んで美しく清澄な弱奏と、スケール感の大きなサウンドをパワフルにくりひろげる全強奏との起伏の幅も大きい。」 <span style="color:#6666ff">（<img src="http://blog-imgs-1-origin.fc2.com/image/e/122.gif"  class="emoji" style="border:none;" /> 『レコード芸術』 通巻第４５９号、三井啓氏による録音評、音楽之友社、１９８８年）</span></p></blockquote><br /><br />ジュリーニはドヴォルザークの交響曲を若い頃より得意のレパートリーとし、〈新世界〉はフィルハーモニア管（１９６１年）、コンセルトヘボウ管（１９９２年）とも録音しているが、このシカゴ響との演奏は２度目のレコーディングにあたり、ジュリーニが巨匠として大きく羽ばたいた時期と重なる。１６年前、ジュリーニ４６歳の時のフィルハーモニア管との〈新世界〉は早いテンポによる颯爽としたスタイルであったが、それが大きく変化し、全体のテンポは遅くなって<span style="color:#6666ff">「マーラーの交響曲を聴くような雄大な名演」</span>とされる。<br /><br /><br /><!a href="http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00903b.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00903b.jpg" alt="CD00903b.jpg" border="0" width="225" height="220" /><!/a>　　　<a href="http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00903c.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00903c.jpg" alt="CD00903c.jpg" border="0" width="223" height="220" /></a><br />　　　<a href="http://click.linksynergy.com/fs-bin/click?id=sQzUt5PW8iQ&offerid=131139.609626925&type=10&subid=" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-18-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/Z1_HMV.gif" alt="このCDをHMVで購入する" border="0" /></a><img alt="icon" width="1" height="1" src="http://ad.linksynergy.com/fs-bin/show?id=sQzUt5PW8iQ&bids=131139.609626925&type=10&subid=">　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　<a href="http://click.linksynergy.com/fs-bin/click?id=sQzUt5PW8iQ&offerid=131139.609482368&type=10&subid=" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-18-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/Z1_HMV.gif" alt="このCDをHMVで購入する" border="0" /></a><img alt="icon" width="1" height="1" src="http://ad.linksynergy.com/fs-bin/show?id=sQzUt5PW8iQ&bids=131139.609482368&type=10&subid="><br /><br /><br /><blockquote><p>「いつの頃からか（たぶんシカゴ響時代から）、ジュリーニの演奏は大きく変化した。彼の生来の音楽家気質なのだろうか、作品をどこまでも音楽的に厳しく精密に追求する姿勢を強め、その結果のひとつとして、テンポが随分と遅くなってきたのだ。〈新世界より〉交響曲の演奏を例にとると、フィルハーモニアのが４０分弱なのに対し、シカゴのは４５分強で５分も違う。もしかしたら、あの時代の若手や中堅指揮者はみな、あの偉大なトスカニーニの影響を受けていたのかも知れない。」 <span style="color:#6666ff">（<img src="http://blog-imgs-1-origin.fc2.com/image/e/122.gif"  class="emoji" style="border:none;" /> 近藤憲一氏によるライナーノートより）</span> </p></blockquote><br /><br />このＬＰは発売当時、ＦＭ放送されたものをカセットテープに録音して何度も繰り返し聴いた筆者の愛聴盤である。〈グレイト〉にくらべれば、重厚さをより前面に押し出した男性的な力強い演奏であり、面白く聴かせるような演出は微塵もなく、ある種の取っつきにくさがあるものの、小細工のない堂々たるテンポから繰り出される重戦車のような<span style="color:#339900">シカゴ・サウンド</span>が大きな魅力であった。<br /><br />オーケストラを厳しく統制した気骨のある第１楽章、しみじみと美しく歌わせる第２楽章中間部、さらに第３楽章トリオはジュリーニの「歌」が聴く者の心を惹きつけてやまない。そしてフィナーレの音楽は、シカゴ響の強力なブラス・セクションがパワフルに炸裂して聴く者を震撼させる。引き締まったジュリーニ・リズムにのって、<span style="color:#339900">ハーゼス</span>の突き抜けるようなトランペット、それに対抗する<span style="color:#339900">フリードマン</span>率いるトロンボーン・セクションの豪快な鳴りっぷりが堪能出来るというのもこの演奏の大きな魅力といってよい。<br /><br /><blockquote><p>「すぐれた芸術家がひとたび熟して好調に自分の仕事をすすめてゆくとき、そのひとつひとつがなんと強い魅力に輝くものだろう。そのいちばん大きなポイントは、ひとえに音楽を見る眼の鋭さにあると思うが、ジュリーニがこの演奏で示した音楽洞察力の個性的な深さと厳粛なばかりのきびしさとは、全く驚くべきものである。好んでドヴォルザークを踏み台に自分を飾り棚に立てようなどというのではなく、もっとはるかに真摯な演奏家的立場に足をふまえた、自覚的なシャープさをもっている表現である。」 <span style="color:#6666ff">（<img src="http://blog-imgs-1-origin.fc2.com/image/e/122.gif"  class="emoji" style="border:none;" /> 大木正興氏による月評、『レコード芸術』通巻第３２９号より、音楽之友社、１９７８年）</span></p></blockquote><br /><blockquote><p>「〈新世界より〉は細部に至るまで驚くほど細心な表現である。しかし全体には劇性がゆたかに表されており、決して神経質いっぽうではない。そればかりか旋律線をゆとりをもって存分に歌わせており、それを古典的といえるほど端正な造形でまとめているので、洗練された音楽が生まれた。第１楽章の提示部を反復しているのも、ジュリーニの演奏様式に関係している。」 <span style="color:#6666ff">（<img src="http://blog-imgs-1-origin.fc2.com/image/e/122.gif"  class="emoji" style="border:none;" /> 小石忠男氏による月評、『レコード芸術』通巻第４５９号より、音楽之友社、１９８８年）</span></p></blockquote><br /><br /><br /><img src="http://blog-imgs-1-origin.fc2.com/image/e/180.gif"  class="emoji" style="border:none;" /> <span style="color:#0066ff"><u>第１楽章アダージョ ８分の４拍子、アレグロ・モルト４分の２拍子</u></span><br /><br /><span style="color:#339900">序奏</span>は重厚な<span style="color:#339900">シカゴ・サウンド</span>に魅せられてしまう。ティンパニの迫力ある立ち上がりは打点がくっきりと録られて実になまなましい。<span style="color:#339900">提示部</span>の音楽運びはズッシリと腰が重く、武骨なまでの力強い筆致で突き進む。<span style="color:#339900">中間主題</span>の低音弦による対位旋律もシカゴ＆グラモフォンならではのたっぷりとした音場が音楽に張りと深みを与えている。<span style="color:#339900">黒人霊歌の第２主題</span>はあまり歌わせ過ぎず、どことなく寂しげな味を滲ませているのがいかにもジュリーニらしい。<br /><br />　　<!a href="http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00904.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00904.jpg" alt="CD00904.jpg" border="0" width="355" height="204" /><!/a><br /><br /><br />すかさずガッシリとブラスが打ち込まれる<span style="color:#339900">コデッタ</span>の音楽は力強い。ジュリーニはここで<span style="color:#339900">提示部の繰り返し</span> を行っている。当時は提示部を繰り返すことは珍しいことではなかったか。展開部は役者のそろったシカゴ・ブラスの独壇場だ。<span style="color:#339900">クレヴェンジャー</span>のホルン、<span style="color:#339900">ハーゼス</span>のトランペットが華やかに<span style="color:#339900">第２主題</span>を打ちはなつと、トロンボーンが豪快に<span style="color:#339900">第１主題</span>を打ち返してくる展開は「さすが」としか言いようがない。この壮絶な金管の打ち合いにはただもう驚くばかり。<br /><br />　　<!a href="http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00909a.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00909a.jpg" alt="CD00909a.jpg" border="0" width="355" height="200" /><!/a><br /><br /><br />コーダもすごい。ジュリーニから想像も出来ぬ武骨な印象を与えているが音楽のスケールは大きい。突き抜けるようなトランペットがひときわ目立っているが、音楽はけっして華美なものにはならず、彫りが深く、むしろ禁欲的とも言えるほどオーケストラを統制し、じつに堂々たる音楽はこび。決して熱くならずに余力を残した金管奏者の打ちっぷりと、ジュリーニの冷静なる眼とが見事な呼吸でとどめを決める重量感あふれる音楽は、あまりにも完璧すぎて心憎いばかりだ。<br /><br />　　<!a href="http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00908a.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00908a.jpg" alt="CD00908a.jpg" border="0" width="355" height="201" /><!/a><br /><br /><br /><blockquote><p>「楽想ひとつひとつにそそがれたジュリーニのまなざしは、そこから徹底的に音楽的魅力を抽出する。はじめからある特別な気分が予感されているのではなくて、真裸の音楽的表情から必然的に気分は醸成される。その際オーケストラ表現の組成音は一瞬の緩みもなく統禦されていて、レコードにしてはかなり不明確にしかなりえないと思われる精妙なバランスが、実にいきいきと各所でものをいっている。この点にかけては、私たちは当然シカゴ響の腕のたしかさを充分思い知らされる。」　<span style="color:#6666ff">（<img src="http://blog-imgs-1-origin.fc2.com/image/e/122.gif"  class="emoji" style="border:none;" /> 大木正興氏による月評、『レコード芸術』　通巻第３２９号より、同上）</span></p></blockquote><br /><br /><br /><img src="http://blog-imgs-1-origin.fc2.com/image/e/181.gif"  class="emoji" style="border:none;" /> <span style="color:#0066ff"><u>第２楽章ラルゴ ４分の４拍子</u></span><br /><br /><span style="color:#339900">ラルゴ</span>の音楽はジュリーニの繊細な美感が大きくものをいっている。柔らかなブラスのしらべ、弱音器をつけた弦楽器の伴奏からしっとりと潤いのある音楽が奏でられる。イングリッシュ・ホルンのソロがとくに美しい。スピーカーから浮かび上がってくるような奥行きのある音場が見事で、ファゴット、オーボエ、クラリネットの１音１音にじつに手の込んだ味わいを見せてくれる。<br /><br />　　<!a href="http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD0909c.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD0909c.jpg" alt="CD0909c.jpg" border="0" width="355" height="200" /><!/a><br /><br /><br /><span style="color:#339900">２７小節</span>からピアニシモで歌われる弦楽のしらべはひときわ美しい。弦５部が見事に溶け合い、ふっくらとクレッシェンドしていく。<span style="color:#339900">中間部</span>で木管の歌う<span style="color:#339900">第２主題</span>は表面的に哀感を装ったものや、ことさら音をきれいに整えたものとは異なり、内面から滲み出る類のしみじみとした渋みのある音楽が奏でられている。哀調をおびた旋律の背後で奏でられるトレモロの振幅とコントラバスのピッツィカートの鼓動音の１つ１つが意味のあるものに聴こえてくる。<br /><br /><span style="color:#339900">メーノ（７８小節）</span>の音楽はヴィブラートをたっぷりかけて悲しみが歌われるが、濃厚な悲痛さはなく、セピア色の淡い哀感を滲ませるのみである。そこには気品さえたたえている。<span style="color:#339900">９０小節</span>でオーボエがチャーミングな田舎のダンスを奏でると、剛毅な金管がするどく立ち上がってドスを効かせるが、<span style="color:#339900">第３部</span>において情感こまやかに歌い上げる弦楽のソロの心にしみ入る美しさがたまらない。<br /><br />　　<!a href="http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00905.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00905.jpg" alt="CD00905.jpg" border="0" width="355" height="200" /><!/a><br /><br /><br /><blockquote><p>「ジュリーニのテンポはやはり遅い箇所では非常に遅い。序奏や第２楽章では時が止まってしまったかのような錯覚にとらわれたほどだ。しかし、彼の場合、時間をかけて粘っていても、ヨコの流れを損なわないフレージングをオーケストラ（特に弦）に徹底させていると思われるため、胃がもたれるような演奏にはならない。」　<span style="color:#6666ff">（<img src="http://blog-imgs-1-origin.fc2.com/image/e/122.gif"  class="emoji" style="border:none;" /> 安田和信氏による月評、『レコード芸術』 通巻第５５９号より、音楽之友社、１９９７年）</span> </p></blockquote><br /><blockquote><p>「そのうえに弦の抒情などにはっきり映っている純粋な感動の喜びのうえに、ジュリーニの指揮の精神的な浸透を強く感じないわけにゆかぬし、また、技術関係者の〈この芸術家〉を正しく見てとらえる音楽能力の確かさまでにも思いおよんでしまうわけだ。」 <span style="color:#6666ff">（<img src="http://blog-imgs-1-origin.fc2.com/image/e/122.gif"  class="emoji" style="border:none;" /> 大木正興氏による月評、『レコード芸術』 通巻第３２９号より、同上）</span> </p></blockquote><br /><br /><br /><img src="http://blog-imgs-1-origin.fc2.com/image/e/182.gif"  class="emoji" style="border:none;" /> <span style="color:#0066ff"><u>第３楽章スケルツォ、モルト・ヴィヴァーチェ ４分の３拍子</u></span><br /><br /><span style="color:#339900">スケルツォ</span>は強靱かつしなやかな<span style="color:#339900">ジュリーニ・リズム</span>の独壇場だ。ガッシリとした重厚なサウンドが聴くものを惹きつけ、堅固な造形にゆるぎがない。柔らかに打ち込まれるティンパニを強調した感触が心地よく、ぐいぐいと振幅するジュリーニの長いアームスから繰り出される引き締まった歯切れの良さと、柔軟なフレージングが巧みにブレンドされた音楽に魅せられてしまう。<br /><br /><span style="color:#339900">トリオ</span>は良く歌う。付点をともなった舞曲風の歌謡旋律を木管パートが柔らかに歌う。ここで伴奏を受けもつ弦楽の分散和音までを一緒に踊るように歌わせているのが驚きで、ドイツ系の指揮者にはおよそ考えもつかない芸当をやってのけている。<br /><br /><span style="color:#339900">第２トリオ</span>ともいうべき<span style="color:#339900">１９２小節</span>の明るい舞曲は、もう少しみずみずしさがあっても、と思わせるほど内省的な音楽を聴かせている。コーダはホルンの冴えわたった名人芸がひときわ光る。<br /><br />　　<!a href="http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00907.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00907.jpg" alt="CD00907.jpg" border="0" width="355" height="202" /><!/a><br /><br /><br /><br /><img src="http://blog-imgs-1-origin.fc2.com/image/e/183.gif"  class="emoji" style="border:none;" /> <span style="color:#0066ff"><u>第４楽章アレグロ・コン・フォーコ ４分の４拍子</u></span><br /><br />終楽章はマッシヴな<span style="color:#339900">シカゴ・ブラス</span>が冴えわたる。ホルン、トランペットがパンチを効かせて早いテンポで突き進む音楽は見事というほかはない。とくに燦然と輝くトランペットのテーマがすばらしい。これに続いて流れるように歌う弦楽のやわらかな歌が、たっぷりした低音弦にのって奥行きのある音楽を聴かせてくれる。弦のトレモロの狭間を逍遙する<span style="color:#339900">第２主題</span>の息の長いクラリネット、これに応答する郷愁をそそるチェロが聴く者の耳をそばだたせる。<br /><br />　　<!a href="http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00906.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00906.jpg" alt="CD00906.jpg" border="0" width="355" height="199" /><!/a><br /><br /><br /><span style="color:#339900">展開部</span>は<span style="color:#339900">第１主題</span>の柔らかなホルンに続いて、決めどころの<span style="color:#339900">１５１小節</span>から弦の３連符が切り立ち、ヴィオラ以下が弓をバチバチと指板に当ててなだれ込んでくるところは圧巻だ。抑揚をつけたヴィオラの刻みにのって木管が歌い、トランペットとトロンボーンが<span style="color:#339900">第２主題</span>を豪快に打ち放つ。<span style="color:#339900">再現部（１９８小節）</span>も凄絶の一語に尽きる。決然としたマルカートのトランペット、空気圧を感じるようなパンチを効かせたトロンボーンの<span style="color:#339900">第１主題</span>が凄まじい威力で迫ってくる。<br /><br />　　<!a href="http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00909b.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00909b.jpg" alt="CD00909b.jpg" border="0" width="355" height="200" /></a><br /><br /><br />大きな見せ場は<span style="color:#339900">２２７小節</span>で再現される<span style="color:#339900">第２主題</span>にやってくる。哀調を帯びた美しい弦の調べがチェロに受け継がれ、たっぷりと歌い返す音楽は滔々と流れて<span style="color:#339900">２３９小節</span>で大きく高揚する。そして<span style="color:#339900">２４２小節</span>のカンタービレでしっとりと艶をのせて歌うヴァイオリンの美しいこと！　たとえようもない美感が次々と織り込まれるジュリーニの抒情味溢れる音楽が深い感動を呼ぶ。<br /><br />　　<!a href="http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00903.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00903.jpg" alt="CD00903.jpg" border="0" width="355" height="209" /><!/a><br /><br /><br />ストリジェンドのホルンのシグナルが余裕綽々と放たれると、コーダは嵐のようなシカゴ・ブラスが吹き荒れる。トロンボーンの第１楽章主題をうけて<span style="color:#339900">２９０小節</span>の４拍目で大きく見得を切るトランペットがいかにも名人ハーゼスらしい。<br /><br />　　<!a href="http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00908b.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/CD00908b.jpg" alt="CD00908b.jpg" border="0" width="355" height="199" /><!/a><br /><br /><br />シカゴ響が繰り出す量塊的なサウンドは目を見張るものがあるが、とどめはこの楽団の<span style="color:#339900">「伝家の宝刀」</span>を抜くかのように、トランペットの高音が突き抜けるように放歌高吟して決めるフィニッシュは「さすが」としか言いようがない。まさにオーケストラ・サウンドの醍醐味を凝縮した演奏といってよい。<br /><br /><br /><blockquote><p>「こうしてできあがった全体の表現は、晩年のトスカニーニのゆきかたのような極端なものではないが、ともかく強い気管に支えられ、どこまでも厳しく監視された、締まった美しさを生命としている。それは決して乾燥した音楽ではなく、また磨きあげた細工もののつぎはぎでもなく、一貫してとうとうと流れてゆく純粋な抒情の上に立っている。この抒情の質が、この指揮者にあっては、ひとつひとつの演奏が録音されるたびに世俗の舌ざわりの良さから遠のいてゆくのを私は感じないわけにはゆかない。この〈新世界〉もいわば辛口の名品というおもむきのもので、女子学生がコンパでおしゃべりしながらたしなめることのできる通俗酒的な一般性とは遠い世界のものである。この名品はまちがっても一部の通人の趣味に甘んずる性格のものではありえない。」 <span style="color:#6666ff">（<img src="http://blog-imgs-1-origin.fc2.com/image/e/122.gif"  class="emoji" style="border:none;" /> 大木正興氏による月評、『レコード芸術』通巻第３２９号より、音楽之友社、１９７８年）</span> </p></blockquote><br /><br />ここには奇をてらったようなあざとい表現や贅を凝らした美感の類は微塵もない。堅固な枠組が一瞬たりとも弛緩することなく、要所で豪快なシカゴ・サウンドで魅了させる一方で、抒情的なカンタービレを随所にしのばせる硬軟織り交ぜた巧みな棒さばきによる〈新世界〉は、まさしくジュリーニの芸風が見事に花開いたお宝の１枚といえるだろう。<br /><br /><br /><br /><span style="color:#990000">↓この記事を面白いと思った方はクリックをお願いします♪</span><br /><a href="http://classic.blogmura.com/cdlistening/" target="_blank"><img src="http://classic.blogmura.com/cdlistening/img/cdlistening80_15.gif"width="80"height="15" border="0" alt="にほんブログ村 クラシックブログ クラシックCD鑑賞へ" /></a>　　　<a href="http://blogranking.fc2.com/in.php?id=314919" target="_blank"><img src="http://blogranking.fc2.com/ranking_banner/e_02.gif"style="border:0px;"alt="FC2Blog Ranking" /></a>　　　<a href="http://blog.with2.net/link.php?672660" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-18-origin.fc2.com/m/u/s/musikfreund/banner_04.gif" border="0" alt="人気ブログランキングへ" /></a><br /><br /><br /><script type="text/javascript" charset="euc-jp" src="http://blog.with2.net/vote/form.php?sid=672660&id=23264&size=2"></script><br /> ]]>
</content:encoded>
<dc:subject>ジュリーニ，カルロ・マリア</dc:subject>
<dc:date>2009-10-29T19:30:00+09:00</dc:date>
<dc:creator>野田爺＠クラシック</dc:creator>
<dc:publisher>FC2-BLOG</dc:publisher>
</item>
</rdf:RDF>