ネコ風邪にご用心

ネコたちが我が家に来てはや5ヶ月。2匹とも食欲は旺盛でスクスクと育ち、生後10ヶ月で5キロを超え、すっかりラグドールらしい、むくむくとした体型になってきた。しかし、ここまで順風満帆というわけではなかった。

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じつは、昨年8月に、養子縁組が決まってから子猫たちは風邪をひいてしまい、2ヶ月ほどブリーダーさんの手元から離せない状況になってしまった。治癒ははかばかしくなく、ブリーダーさんでは別の子猫も用意できると言ってくれていたが、愛情の方が勝って、結局、風邪をひいた状態でこの子たちを迎え入れる英断をしたという経緯がある。

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当初は、弟ネコ(ぐり蔵)1匹だけの予定だったが、兄ネコ(みる吉)が事情あって出戻りになり、おまけに風邪をひいて、これが弟ネコに感染したらしい。すでに2回のワクチンを済ませていたが、抗生物質が効かず、あとは漢方薬と目薬を与えるしかないという処方だったが、ネコ風邪は人間の風邪のように簡単に治るものではないらしく、慢性化する危険性があるのを承知の上で、仲良し兄弟を一緒に引き取った。

みる吉は青鼻をとばし、ぐり蔵は鼻水と目ヤニを出して目がぱっちりと開かず、鼻水や目ヤニを拭いてやらねばならない状態で、食事は普通に食べるものの、昼間は2匹くっついて、おとなしく寝ているだけがちょっと情けなかった。1週間ほど様子をみて漢方薬では到底回復が見込めないため、意を決して猫専門の診療所を探して連れて行くことにした。

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診察の結果、この子たちは“かなりの重症”と診断された。すでに生後5ヶ月の成長した段階では治癒が難しいらしく、1回目と2回目のワクチンの間隔が1ヶ月以上も開いたことにも問題があり(効果がないらしい)、もっと早い段階で手を打つべきであったとのこと。完治する可能性は低く、蓄膿症のような症状が残る可能性があることは覚悟しておいて欲しい、現段階では虚勢手術も不可、と冷たくお医者さんに言われて憂鬱な気分になってしまった・・・。

ここで、「ネコ風邪」という病気を、飼い主はきちんと理解しておかなければならない。俗に「ネコ風邪」と呼ばれる猫の鼻炎・気管支炎・結膜炎といった症状は、ヘルペスウイルスによる『猫ウイルス性(伝染性)鼻気管炎』という伝染病のことで、類似症のカリシウイルスによる『猫カリシウイルス感染症』との合併症や、クラミジアによる『猫クラミジア感染症』があるという。

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ヘルペスウイルスに感染するとくしゃみ、鼻水や、目ヤニが出て結膜炎を起こす(場合によっては失明も)、カリシウイルスに感染すると口内炎も生じるといった具合で、これらは複数のウイルスと重感染を起こして様々な病気を発症する恐ろしいウイルスだ。人間にもヘルペスウイルス感染症があり、抵抗力が低下した際に症状が悪化する病気として知られている。

やっかいなのが「ヘルペスキャリア」。これは一旦症状が消えても、ウィルスが「キャリア」として潜み、抵抗力が低下した際に再び症状が現われるというもの。つまり、ヘルペスウイルスは、免疫が作られると逃げ場を求めて細胞内に潜んでしまうたちの悪いウイルスで、免疫力が落ちると、やおら神経細胞内から出てきて悪さをはじめるという。従って『ネコ風邪』は、一度ウイルスに感染すると、これを完全に退治する事が出来ないことがわかった。

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さて、診療所のお医者さんは、ちょっとクールな女医さんで、おべんじゃらをいうタイプとは異なり、研究熱心で客観的に診断して、攻めの姿勢によってウィルスを叩くというのが基本方針。治療法としては、抗生物質やインターフェロンの投与によってウイルスの繁殖を抑える以外に、人の「抗ヘルペスウイルス剤」を使う方法を提案してくれた。

費用がかかるので無理にはお薦め出来ないが、ヘルペスウイルスによる重症猫には有効という報告を多く聞くようになったとのことで、この際、呑気なことをいってられないので、ウィルスを一網打尽にすべく、抗ヘルペスウイルス剤をお願いすることにした。因みに1週間の2匹分の費用は、飲み薬3種、目薬、眼軟膏、用便検査・診察料と合わせて1万6千円! これを4週続けた。

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ところが、薬を飲ませてわずか1日で、どうだろう。鼻水とくしゃみはピタリと止んで、2匹の子猫は、はまるで生まれ変わったようにドタバタと部屋中を走り回って遊ぶようになった。“劇的な回復”とはまさにこのことをいうのだろう。1週間後の再診では、ズルズルだった青っぱなが2匹ともピタリと止まったきれいな顔に、クールなお医者さんもびっくり、目を細めて喜んでくれた。みる吉はほどなく全快、ぐり蔵は目がパッチリするのに時間を要したが、なんとか1ヶ月で回復。

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さらに1ヶ月をおいて1回目のワクチンを、10日おいて2回目のワクチンを年内に無事済ませることが出来てひと安心。やれやれ。お次は年明け早々に、2匹の虚勢手術をお願いすることになった。さあ、ラグドールの戦士のタマゴたちよ、覚悟はよいか!


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[ 2014/03/30 ] ペット | TB(-) | CM(-)

ラグドールの兄弟がやってきた

昨年10月、わが家にラグドールの兄弟がやってきた。偶々、家の近くにブリーダーさんがいて、当初は弟猫だけをもらい受けることに決まっていたが、縁があって兄猫の里親になって、はからずも兄弟一緒に養子縁組みすることに相成った。

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兄弟たちの名前は“みる”&“ぐり”(Mil et Gris)。 5月生まれのちびっこギャングたちだ。普段は「みる吉」「ぐり蔵」とよんでいる。ところが想像していたような“悪ネコ”とはまったく違って、ほとんど鳴かない“サイレント・キャット”

猫といえば、筆者にはあまりよいイメージがない。むかし実家で飼っていた黒猫がかなり気の荒いメス猫で、何かをたくらむような不敵な目つき、押入の中にすっこむとテコでも出てこない。食べ物をやると「ぷい」と横を向き、少し触ると「すぎゃ~あ!」と牙をむいて毒ガスのような臭い息を吹きかける。抱っこしようものなら強烈なアンモニア水をふっかけて大脱走劇を繰り広げるという、かなりの荒手であった。

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ラグドール(Ragdoll) とは、いったいどんな猫なのだろう。調べてみると「ぬいぐるみ」の意味で、人に抱きかかえられることを好む事に由来するらしい。一説によると白いペルシャ猫とシールポイントのバーマンの仔がバーミーズと掛け合わされた新しい種とされる。『銀河英雄伝説』で、ヤン・ウェンリー提督の養子ユリアンが飼っていた大きな猫は、ラグドールではないかしら。

瞳は明るいブルー。顔や胸まわりは、やわらかな長い被毛にふかふかと覆われてライオンのたてがみのようだ。とくに太く長い尻尾が特徴的で、ご機嫌の時はしっぽを立てて、のそのそとやってくる。後ろ脚にも毛がふかふかと生え、尻尾と脚を伸ばして寝ているさまは、まるでニッカポッカを履いた小悪魔ちゃん

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毛色はいろいろあるらしく、その呼び方は専門的でむずかしい。白地をベースにポイント(模様)はミテッド、バイカラー、ヴァンバイカラー、タビー(リンクス)などがあり、カラーにはシール(こげ茶)、ブルー(灰色)、レッド(茶)、クリーム(ベージュ)など、交配によって色とりどり存在する。

この兄弟たちは“ブルー・ポイント・バイカラー”と呼ばれ、顔の真ん中が黒っぽいタヌキのような“シール・ポイント”と比べれば、色はかなりうすい。背中がほとんどまっ白な「みる吉」に対し、「ぐり蔵」はうすいグレーといった違いがあるが、成長につれて毛色は次第に濃くなっていくらしい。季節によっても色は変化し、冬場には濃くなるという。

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また、ラグドールは、ノルウェージャン・フォレスト・キャット、メインクーンとならぶ“3大巨大ネコ”といわれ、完全に成長しきるまで4年かかるらしい。「成猫の体重は10キロを超える」と本に書かれていて仰天したが、ブリーダーさんによれば、この子たちは将来7~8キロになるだろうとのこと。これでは犬とあまり変わらないではないか。

彼らの食事は、ロイヤル・カナンの〈キトン〉(仔猫用)のみ。朝夕の2回で1匹60グラムが標準だが、成長期のためか、すぐにお腹を空かせるので、間食として少量を分けて食べさせている。食い意地の張っている「みる吉」は隣の皿が気になるのか、「ぐり蔵」の横から割り込んで、横取りするいやしい習性がある。  ロイヤルカナン FHN キトン 子猫用 2kg

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兄猫の「みる吉」は毛がふかふかと生えて“福助さん”のような、まんまるのお顔。性格は神経質で、音にかなり敏感である。《春の祭典》(ストラヴィンスキー)のCDを聴かせると、〈生け贄の踊り〉の太鼓の音に反応して二足立ちする様子が傑作である。また音の出所を2匹が必死になって探している様子を見ると、この子たちはかなり賢いようだ。

弟猫の「ぐり蔵」は、スリムな体型で少し甘えん坊。「にいたん、にいたん」と「みる吉」の後をくっついて離れず、寝るときもいつも一緒。便秘がちで、夜までウンチが出ないとイライラするらしく、ムササビのように、ぴょんぴょん飛び跳ねて、「みる吉」に八つ当たり。奇声を発して飛びかかってゆく。寝る前になって、ようやく排便してひと安心。

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食後にひと眠りした後は、一人前の“ラグドールの戦士”になるための厳しい訓練が待っている。シャカブンを振ってやると、彼らの目つきは鋭く変わり、グローブのような大きな手でネコ・パンチをお見舞いする。最近では素早くこれを捕獲し、食い千切るという荒ワザを披露するようになった。

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今はまだ、ちびっこのへなちょこ戦士たちだが、早く近所の逞しい猫たちに負けないような一人前のグラディエーターに育って欲しいところだ。たくさん食べて、早く大きくなるのじゃぞ。

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[ 2014/03/01 ] ペット | TB(-) | CM(-)